【解説】相次ぐ強盗…狙われないためにできることは?
関東で強盗事件が相次いでいます。どう身を守るべきか防犯対策を考えていきます。
これまで相次いで起きている事件をまず整理していきます。今年8月29日には千葉県八千代市、8月31日には神奈川県厚木市で。そして9月には鎌倉市やさいたま市のほか、東京の練馬区や国分寺市で強盗事件が起きています。
10月に入っても埼玉県所沢市や千葉県船橋市で。さらに16日は関連が疑われる神奈川県横浜市の事件が発覚したほか、千葉県白井市では民家に男が押し入り住人女性にケガをさせ、現金と車を奪って逃走しました。
さらに17日も起きました。千葉県市川市の住宅も窓ガラスが割られ現金が盗まれたほか、車もなくなっていたということです。
事件が相次いで不安を感じている人も多いかと思います。そこでみなさんに犯罪対策を聞いてみました。
埼玉在住(80代)
「戸締まり。雨戸を閉めたり」
「(防犯)カメラをつけたり、人が入ると電気がつくとか」
「ドア(のカギ)は二重、上と下と。夜だけ(閉めている)昼間は誰かいるので」
「電話も怖い。かかってきてもなるべく出ない」
東京在住(60代)
「ホームセキュリティーと、マンションなので2ロック。(カギは)必ず閉めている、ゴミ捨てのときも閉めている」
「インターホンを映像が映るのに変えたよね」
東京在住(80代)
「そうそう。前にあったのは顔が映らなくて」
──相手の顔が見えるのは大事?
東京在住(80代)
「大事。変な人は顔が映るからピンポンしない」
東京在住(60代)
「犬を飼っている。知らない人が来たらほえるから(防犯対策に)なっていると思う」
茨城在住(70代)
「電気を24時間つけている」
──家の中?
茨城在住(70代)
「家の中、玄関から光が漏れるように。暗くなると人がいるような感じかなと、いくらか違うかなと」
東京在住(70代)
「窓がすぐ開かないように下にもカギをつける。うちが通りに面している。外からすぐに入られるのも嫌。(強盗と)鉢合わせたら戦うのではなく、さっさと逃げる」
神奈川在住(70代)
「プライバシーで家を囲って見えないようにしている方が多い。防犯の面から言うと、周りから見えて『あら、おかしいのでは?』と通った人でも気づくようにしておいた方が安全」
東京在住(80代)
「玄関は必ずチェーンをして、ピンポンが鳴ってもインターホンで応対。やたらに開けない。1回、買い取りに回ってくる業者が来て、話が弾むと家の中に勝手に入ってくる。それは用心しなきゃと」
山崎誠アナウンサー
「街のみなさんも不安を感じる場面があったということですが、どういった対策ができるのか、ここからは防犯アナリストの桜井礼子さんに聞いていきます」
「一連の事件では、主に戸建ての住宅が被害に遭っています。その中では窓ガラスが割れていたケースが多くあったということなんです。警視庁による令和5年の一戸建て住宅の侵入口のデータを見ると、窓からの侵入窃盗が55.2%と最も多かったということです。侵入経路として窓が多いというのはどういったことなんでしょうか?」
日本防犯学校副学長 防犯アナリスト 桜井礼子さん
「玄関ドアのカギを不正解除するのにも技術がいります。家人にわからないように窓ガラスを割るのも技術がいります。今回は技術もなにもいらないという手口を使ったんだと思います」
山崎アナウンサー
「ドアは簡単にはいかないということで窓を狙ったということです。ではその窓が狙われるという中で、どういった対策をとればいいのか。桜井さんに話を聞くと、これは犯罪者に都合が悪い状況をつくるのがいいということですが、犯罪をしづらい状況をつくるのがいいと」
桜井さん
「そうですね。犯行をしにくい環境をつくることが大事だと思います」
山崎アナウンサー
「ポイントをまとめました。まず窓ガラスを防犯ガラスにしたり、防犯フィルムや補助錠を活用するということですね。これはどういった理由になるんでしょうか?」
桜井さん
「できればですね、1階部分の人が入れそうな大きさの窓は防犯ガラスにしていただくか、防犯フィルムをガラス全面に貼っていただきたいです。それプラス補助錠。外から簡単に外すことができない補助錠を活用していただきたいと思います」
山崎アナウンサー
「窓ガラスにはカギがありますけれども、それだけではなくてカギを刺して回して開ける補助錠をつけると」
桜井さん
「そうなんです。カギをつけないと着脱しないというタイプがありますので、そういったものをぜひご使用いただきたいと思います」
森圭介キャスター
「それは後からつけることはできるんですか?」
桜井さん
「後から、女性でも簡単につけることができますので、ぜひそういった補助錠を活用していただきたいと思います」
■塀を低くし犯行が見えやすい環境を
山崎アナウンサー
「続いては植え込みを刈り込んだり、塀を低くしたりして見通しをよくするということですが、これはどういった理由でしょうか?」
桜井さん
「敷地の中が見えにくくなっていると、犯罪者が敷地に入ったときに犯行しやすい環境ができてしまっています。なので通りからよく敷地の中が見えるように見通しをよくしていただきたいです。見通しの悪い塀などは、地面から120センチから140センチのところで止めておいていただくと、ちょっと小柄な女性でも横を見たとき敷地の中が見えますので、そういった対策をしていただきたいと思います」
山崎アナウンサー
「中を隠すのではなく、あえて見えやすいようにして周囲の人に気づいてもらうようにするということです」
■強盗に対しさらに一歩踏み込んだ対策を
山崎アナウンサー
「続いてのポイントも見ていきたいと思います。センサーライトや窓ガラスを攻撃すると大きな音が鳴るアラームを設置することも有効だということですね」
森キャスター
「先ほどの街の人が、電気を24時間つけっぱなしにしてまるでいるようにすると言っていましたが、こういうのは効果はあるんですか?」
桜井さん
「空き巣対策には効果があります。ただ、今回は強盗で人がいるところに入ってきていますよね。なのでそういった対策ではなく、プラスアルファ、今回紹介した対策を施していただきたいと思います」
森キャスター
「空き巣対策をしている人はたぶんいますけど、強盗対策となるとさらに一歩踏み込まないといけないということなんですね」
山崎アナウンサー
「そうですね。犯罪の様相がまた変わってきていますからね」
■AIカメラ越しに不審者に威嚇
「続いてのポイントも見ていきます。AIカメラの活用も有効ということであげていただいていますが、このAIカメラとはどういったものでしょうか?」
桜井さん
「AIカメラはですね、敷地のエリア設定ができます。そのエリアに不審者が入ってきます。そうするとその不審者をキャッチして、光と音で威嚇をしてくれます。その映像がすぐにスマートフォンに送られてきます。スマートフォンを見てこれは不審者だということになれば、そこから110番通報することもできますし、そこから自分の声で『今警察に連絡したからな』と威嚇をすることもできます」
鈴江奈々キャスター
「このAIカメラというのも簡単に設置できるものなんですか?」
桜井さん
「AIカメラがいろいろと今出てきていますが、できればセキュリティー会社、業者さんに頼んで設置していただくのがよろしいかと思います」
鈴江キャスター
「桐谷さんはなにか対策しています?」
桐谷美玲キャスター
「旅行などで長期間留守にするときとかはSNSを時差投稿にして留守というのがわからないようにしたりとか、実家はモニターつきのインターホンに変えましたね」
山崎アナウンサー
「侵入する側も下見など入念な準備をしてくるということで複雑化していますが、捜査関係者によると、一般的に家の中の構造を把握されることはリスクを高めることになるといいます。警察庁は、身元のはっきりわからない訪問者に対しては、不用意にドアを開ける前にまずドアスコープやインターホン越しなどで確認することが大事ということでした」
「さらには宅配業者の訪問を偽装した手口もあるということで、宅配ボックスの活用もすすめているということです。また不審な電話がかかってきた際は、『家族がいないのでわかりません』などと家族構成がわかる内容など、資産状況なども含めて答えないことをあげています」
桐谷キャスター
「こういった対策をしていても実際に強盗が入ってきてしまったらどうすればいいんでしょうか?」
桜井さん
「強盗が入ってしまいました。その強盗犯とかち合いました。そしたら一切逆らわずに犯人の言う通りにしてください」
山崎アナウンサー
「争わないことが大事ということですね。これまでもこういった犯罪というのは起きてきましたけれども、特に今年に入って増えてきています。先ほど紹介したのは(事件として)わかっているものだけですので、あれよりも数が多い可能性はあります。不安や恐怖を感じる人も多いと思いますけれども、どういった対策をすることが私たちはできるのかということを、防犯アナリストの桜井礼子さんとお伝えしてきました」