開会式「例外」のワケ…上限“2万人”検討
五輪の観客数は「上限1万人」と決まりましたが、開会式は例外として「2万人」で検討されています。大会関係者は観客とは別の扱いで、一般客より多く参加するため、1万人では収まりません。4000人以上がチケットを手放すことを迫られそうです。
■開会式「例外」2万人のワケは…
有働由美子キャスター
「東京オリンピックの観客数は『すべての会場で上限1万人』と決められましたが、例外がありそうです。開会式だけは、上限を2万人とすることを検討していることが分かりました。なぜ開会式は例外なのでしょうか?」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「一般客に加えて、IOCやスポンサーなど大会関係者の席も必要で、全体で1万人では到底収まらないからです。関係者の席がどのくらいか、確認しましょう」
「これまでに予定していたのは、IOCや各国要人などチケットなしでも入れる枠が7300人、スポンサーや大会関係者に販売される分が1万500人、一般客9300人で合計は2万7100人でした」
有働キャスター
「一般客よりも大会関係者の方が多いのですね」
小野委員
「そこで、まず大会関係者の分について、7300人を6000人に、1万500人を9000人にそれぞれ減らそうとしましたが、今のところ、約1000人ずつしか減らせていません。この先、一般客もふるい落とすことになりそうです。スポンサーに販売される9000人分には、スポンサーが組んだツアー客など5000人がいて、一般客の9300人と合わせると1万4300人になります。これを抽選で1万人以内に絞るということです」
■ネット上では「五輪貴族」と皮肉
「21日の5者協議で、組織委員会の武藤事務総長は『(全体として)2万人よりは少なくなる』『すべての競技会場で大会運営に関係する人たちは主催者であって、観客ではないという観点から、1万人とは別に考える』といっていました」
「これを受けてネット上では、『大会関係者は優遇されてまるで“五輪貴族”だ』と皮肉った声も多くなっています」
「この背景について、JOCに長く勤めた春日良一さんは『IOCや競技団体はオリンピックを支える主体で、開会式に参加するとなった場合はそれを否定できません。スポンサーもオリンピックを支え、選手などへのサポートもしています。その中で、開会式に参加したいのだろうと思います』と話します。一方で、『やはり開催地の人々にオリンピックを感じてもらうことが大事』とも指摘しています」
有働キャスター
「開会式というとやはりオリンピックの顔で、すべてのメッセージがそこに込められています。今回、誰のための何のためのオリンピックかということが大きく問われていますので、安全・安心と矛盾したメッセージにならないように、是非していただきたいです」
(6月21日『news zero』より)