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学校ってなんだろうー私の居場所ー

2022年6月24日 12:31
学校ってなんだろうー私の居場所ー
14歳のくれはさんは、小学4年生からほとんど登校していない。母親は、我が子のために「みんなでつくる自由な学校」をコンセプトに、新たな居場所づくりに取り組んでいる。小中学校の不登校は、全国で19万人を超え過去最多に。学校や教室に居場所を見い出せない子どもたちの声に耳を傾け、考えた。



学校に行くのって何でだろう?

「学校が僕は苦手なので、人が多い所、僕苦手なんですよ」

「ずる休みとか言われたのが、なんかしんどかった」

学校で戸惑いを感じながら過ごす生徒もたくさんいます。

14歳のくれはさん。中学校にはほとんど行っていません。

――いつ頃から学校行ってないんですか?

くれはさん
「4年生」

母・理沙さん
「何かわからんって。『学校自体が嫌いなのか?』と言っても、『わからん』。『友だちと何かあるんか?』といっても、『わからん』。『勉強嫌いなんか?』と言っても、『わからん』。ずっと長い間、原因探しをしてました」

母親の理沙さんが、子どもたちのため“居場所”をつくりたいと、海を望む1軒家で学ぶ「みんなで作る自由ながっこう」を開校しました。地名の「呉」と風を意味する「レラ」で「クレラ」。

妹のす~ちゃんも去年の秋から小学校を休んでいます。

――学校に行かなくなった理由はある?

す~ちゃん
「うーん…うまく言えん」

母・理沙さん
「学校って行くものだと思ってたから、親としたら泣いて引きずってでも連れて行っていた時期があったんですけど、子どもとの信頼関係が崩れるなと思ったのがきっかけで、『あっもうやめよう』と思ったんですよ」

親として、悩んでいた時期もありました。

母・理沙さん
「『大丈夫よ、大丈夫よ』って言って、全部肯定してくれる先輩ママさんたちがたくさんいたし、すごくうれしかったから、支えてくれた人たちがいるから、今度は自分が元気になれたから、困っている人の支えになれるような居場所を作っていきたいなって」

す~ちゃんは、母親の手伝いをする中で多くの事を学んでいます。そして、地域の人との交流を大切にしています。



「入学式始めます。おめでとうございます」

4月、「みんなでつくる自由ながっこう」に双子の新入生が通い始めました。

双子の母
「子どもが幼稚園の時点で登園拒否みたいな。『字を書くのはどうするんだ?』とか、先生もいないじゃないですか、こういうフリースクールって。ずいぶん見させました(学校を)、自分の目で。公立の地元の学校も行ったし、他の広島の方のフリースクールも行ったし、全部見させて『あそこは?ここは?』と聞いても、“海の学校がいい”って言って」

子どもたちが、生き生きと過ごせる場所を選びたい。いま、ここが2人にとって生き生きと過ごせる場所になっていました。



2020年度の不登校の児童、生徒は全国で19万人余りと過去最多です。自治体もフリースクールなど、生徒それぞれに合わせた「学び方」を目指しています。

広島県 平川理恵教育長
「教室であっても、どこであっても、最終的にその子が自信を持って、色々なコミュニティーに出入りしながら愉快な人生を歩んでいく、これが究極の目的なので、多様な体験とか環境、これを用意していくことが大切かなと思っています」

くれはさんはいま、ミュージカルに夢中になっています。

くれはさん
「みんなが1つの目標に向かって頑張ってて、みんなキラキラしていて、すごいいい場所だなって感じ」

学校ってなんだろう…居場所を見つけられなかった生徒の声に耳を傾けてみよう。


2022年5月1日放送NNNドキュメント’22『学校ってなんだろう~私の居場所~』(広島テレビ制作)を再編集しました。