スポーツの日が…“祝日移動”困惑する人も
東京都内で、新たに新型コロナウイルスの感染者が49人確認されました。今年に入り最も少ない人数となりました。一方、11日は、元々、スポーツの日でしたが、オリンピックの開催により、祝日ではなく平日となりました。街では、困惑する人もいました。
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11日、東京都の新規感染者数は、49人になりました。今年に入り最も少ない人数です。
徐々に戻りつつある日常生活。交通機関の利用にも、変化が出ています。東京・新橋にある金券ショップでは、緊急事態宣言の解除が明らかになった先月末から、急激に、新幹線のチケットが売れるようになったといいます。
東京~名古屋の新幹線チケット購入
「明日名古屋に行く用事があるので」
1番人気というのが─。
新橋チケット 伊集院浩二代表取締役
「東京~新大阪、東京~名古屋。出張が多いですね」
出張などビジネス需要が急拡大したため、値段も宣言中と比べると、1000円ほどアップ。また、京都や熱海など観光地へ向かう新幹線チケットも300円ほど値上がりするなど人気だということです。
感染者数が減る中、増えつつある駅の利用者。実家の名古屋に帰省するという女性がみせてくれたのは─。
名古屋に帰省 駅弁を購入
「峠の釜めしね。お土産というか」
旅のお供に欠かせない駅弁の売れ行きも回復傾向になっています。11日朝、続々と搬入されていたのは小田原名物のちょうちんをデザインした新作の駅弁で、上の段には、キンメダイの西京焼き、下の段には、たいめしが入っています。
実は今、JR東日本では、67の駅弁の中から、投票形式で王者を決めるイベントを開催中です。ちょうちん弁当などを販売する会社は、並々ならぬ思いを持ってエントリーしていました。
東華軒広報 荒木拓郎さん
「(コロナ前と比べ売り上げが)現在7割くらいに減ってしまっている感じ。新しいお弁当で一発、大きく盛り上げていきたいという気持ちはすごく持ってますので」
コロナ禍の厳しい状況を打破するため、新作弁当を開発したといいます。
東華軒広報 荒木拓郎さん
「予想よりも大きく売り上げを伸ばしている商品ですので、こちらとしてはとても驚いてる」
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都内の小児科でも、今月に入って、コロナの患者数が激減しています。
柴田小児科 柴田雄介院長
「先月までですと、1週間のうち2~3家族(コロナ患者)だったけど、先週あたりはゼロですね」
ただ、中には、後遺症に悩む子どももいて、疲労が、なかなか抜けないと訴える患者もいるといいます。そのような中、この小児科では、ある異例の対応をして、11日の診療を迎えていました。
柴田小児科 柴田雄介院長
「診察室においてあるカレンダーは、赤字を上から黒のペンで塗りつぶして黒字にしてあります」
実は11日、元々は、「祝日」だったため、カレンダーが赤字表記になっていました。そのままだと勘違いする患者も出てきそうなため、上から黒で塗りつぶし「平日」表記に直していたのです。
11日、街で手帳をみせてもらうと、祝日を意味する赤字に、ある女性は─。
会社員
「(きょう)休もうと思ってました。そしたら『きょう休みじゃないよ』って(上司に)言われた」
上司に指摘されるまで、祝日だと思い込み、仕事を休むつもりだったといいます。
会社員
「10月連休なくなっちゃうから、10月に残してくれる方がうれしかった」
「海の日」は、本来7月19日でしたが、22日に、そして、「スポーツの日」は、11日のはずでしたが、7月23日に移動していたのです。
街では3連休を逃し、「平日」となったことを残念がる声が相次ぐ中、意外な対応をとった会社もありました。宮城県にある精密機械を製造・販売する会社で、オフィスにあるカレンダーをみてみると、11日の箇所が、祝日を示す黄色で塗られています。
ソーリンク 桐山恵専務取締役
「当社では毎年7月に(自前で)カレンダーを作製して、従業員に配布しています。10月11日は休みというふうに決めましたので、その通りにお休みとなりました」
去年7月の時点ではオリンピックの開催が不明だったため、11日を祝日表記にしてカレンダーを作成。その後、開催が決定しましたが、会社として、当初のまま、「休日」にしたということです。
ソーリンク 桐山恵専務取締役
「コロナでかなりみなさん、窮屈な思いとかしていたと思うので、せっかくの3連休を有意義に過ごしてほしいと思っています」
異例の祝日移動、思わぬ影響が出ていました。