“駅弁”が世界進出 パリの駅構内で販売
フランス・パリの駅構内で、この秋、日本の“駅弁”が販売されることになりました。ヨーロッパ各地への“旅の拠点”となる駅で狙うのは、日本の“旅のお供”の世界進出です。ほかにも日本が誇る味が各地で人気となっています。
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“コロナ禍”で迎える行楽の秋。日本の食材を使った駅弁が、今年11月からパリの主要なターミナル駅の一つ、リヨン駅で発売されます。
日本の食文化「駅弁」をヨーロッパの旅にも。挑戦するのは、1899年創業秋田の駅弁の老舗「花善」です。県産「あきたこまち」を甘辛くたきこんで、鶏肉や炒り卵などを添えた「鶏めし」が名物です。
全国の駅弁コンテストで、トップクラスの人気を誇るこの「鶏めし」の味を広めようと、2年前にパリに路面店をオープン。
そしてこの秋、スイスやイタリアなどとつながるヨーロッパの“旅の拠点”パリのリヨン駅構内に新店舗をオープンすることとしたのです。
ひとつずつ手作りする「鶏めし」はパッケージに、赤と白の日本カラーをあしらい、「あきたこまち」を日本から取り寄せるなど、できる限り“そのままの味”を追求。
さらに、フランス風のアレンジも。
従業員 ヴァレンタン・ダヴィッドさん「日替わり弁当はフレンチと和をミックスするアレンジをしています。焼いた鯛にアボカドクリームを添えたように、フランス的なアレンジを加えた物もあります」
“コロナ禍”で海外への旅行が難しい今、遠く離れたパリから日本を思うきっかけにつながっています。
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日本の味は“巨大マーケット”中国にも進出。
去年の清涼飲料水の輸出額は342億円と過去最高を更新。そのうち3割近くを中国が占めているのです。
現地で生産を開始するなど、中国進出に力を入れている「ダイドードリンコ」では、“見た目”に細かい工夫も。
ダイドーグループホールディングス執行役員海外事業統括部長・三田村守さん「外から日本製だとわかる日本語がそのままのっています。中国の方は当然漢字は読めますので、日本製だとストレートにわかるんですね」
砂糖入りのものもある中国製のお茶。ここ数年は健康志向が高まっているため、日本のお茶を選ぶ人が増えているということです。
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プニプ二としたおもちと冷たいアイスの組み合わせが絶妙、ロッテの「雪見だいふく」。日本で愛され続けるこの味もまた、アメリカ、オーストラリア、アジアなど世界各国で愛されています。
ロッテグローバル本部マーケットクリエーション部・木村浩児課長「(海外の)売り上げとしては、2013年から比べると、10倍くらいになっています」
背景に“和食ブーム”もあるということですが、ロッテグローバル本部マーケットクリエーション部・花岡正幸さんは「ミルクティーですとかマンゴー、そういった海外でも需要性の高いフレーバー(味)を海外向けに展開しています」と話しています。
海外で好まれる味を展開していることも人気の理由に。“コロナ禍”の秋、日本が誇る味は世界へと伝わっています。