対オミクロンで「無料検査」…大阪など
新型コロナウイルスのオミクロン株の市中感染が確認されたことを受け、大阪府と京都府、沖縄県を皮切りに、希望者全員に無料検査を実施することを政府が打ち出しました。人の移動が増える年末年始を迎えますが、狙いはどこにあるのでしょうか。
■水際対策とともに…政府の狙いは?
有働由美子キャスター
「23日、希望者全員を対象に、無料で(新型コロナウイルスの)PCR検査や抗原検査をすることを政府が打ち出しました。まず行われるのが、オミクロン株の市中感染が確認された大阪府と京都府、アメリカ軍基地での感染者が相次いだ沖縄県で行うといいます。この狙いは何でしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「オミクロン株はとても感染力が強いと言われているだけに、政府としては水際対策だけでなく、こうした無料の検査を広く行うことで、何とか早く感染している人をあぶり出し、封じ込めたいという狙いです」
「具体的には、自治体がどの範囲を対象に無料検査するのかなどを国に要請し、国がその費用を出すことになります。官邸関係者は、『今は市中感染が出た都道府県だけが対象。市中感染がないのに、予防的に無料検査をすることは想定していない』と言います」
■大阪「少なくとも100か所で」
有働キャスター
「大阪府の吉村知事は『24日から実施する』と話していました。具体的にはどうやっていくのでしょうか?」
小栗委員
「吉村知事によると、大阪府では24日から全ての府民を対象に、検査を受けられるようにします。実施場所は薬局や検査場、医療機関で、24日には少なくとも100か所で開始する予定といいます。その後も検査会場を増やしていくとしています」
■専門家「感染拡大鈍化できる」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「年末、私も移動があるので、自費にはなりますが検査は受けるつもりです。今回の施策として、無料で検査を受けられるのは良いですけれども、無症状の人がどれほど積極的に受けるのかなとは思います」
小栗委員
「既に、県独自で無料検査を行い、うまくいっている例もあるので、官邸はその点、あまり心配していないようです」
「感染症学が専門の国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授は『急拡大はしなくとも、潜在的に少しずつ感染者が増えてきているのは間違いない。無料検査は、水面下にいるような感染者を見つけやすくなるし、感染拡大を鈍らせることができる』と話しています」
有働キャスター
「年末年始で旅行や帰省をする方も多いと思いますが、政府の分科会も『(コロナワクチンを)接種していない人や重症化リスクの高い人に会う時は検査をおすすめします』と呼びかけています。特に無料の地域の方は、積極的に検査を活用してください」
(12月23日『news zero』より)