靖国神社の石柱に“落書き” 中国籍の男「反省はしている」、動機は「原発の処理水放出への抗議」
靖国神社の石柱に「Toilet(トイレ)」と落書きされた事件で29日、中国籍の男の初公判が行われました。男は動機について、福島第一原発の処理水放出への抗議が一番大きな理由だと述べました。
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東京・千代田区の靖国神社。入り口で参拝者を迎える石柱が、今年5月、”落書き”の被害に。
動画に映る男は石垣を登り石柱に近づくと、赤いスプレーで“落書き”。書かれていたのは、英語で「トイレ」という文字でした。
警視庁はこの動画に映る中国籍の男と、撮影役とみられる男の2人を指名手配。もう1人、この事件にかかわったとされるのが、すでに逮捕・起訴され、器物損壊などの罪に問われている姜卓君被告です。
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29日、東京地裁で開かれた初公判で、姜被告は「まちがいありません」と、日本語でこう述べ、起訴内容を認めたといいます。
検察側は「姜被告は、犯行に使うための赤いスプレーを購入した。その際、店員に『壁に使えるか、屋外で使えるか』などと繰り返し聞いていた」と指摘しました。
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29日、「news zero」が靖国神社に行ってみると…
記者
「靖国神社の石柱の周り、柵で囲われていますね」
事件があって以降、落書きがあった柱には、周りを囲うように柵が設置されていました。
柵の設置について街の人は…
──柵できたことは知っていた?
「全然全く」「知らなかった」
「あれ(柵)置いたことで落書きが減るんだったらいいのかな」
「このままだと景観は確かによくないですよね。あのまま柵が残るのは残念」
なぜ、落書きをしたのでしょうか。動機については…
姜被告
「落書きは悪いことだと思ったが、私はただ海を守りたい」「靖国神社に恨みはない」「反省はしています」
被告人質問で、福島第一原発の処理水の放出に対する抗議が「一番大きな理由だ」と述べたといいます。
今月に入ってからも相次ぐ“落書き”騒ぎ。
10日には、東京・明治神宮の参道にある「第二鳥居」で、鋭利なもので漢字の「張」などと書かれたような落書きが見つかり、翌日の11日には、靖国神社で神社を取り囲む石の塀に漢字で「死」という文字を書かれる被害がありました。
“落書き”をすると、今回のような神社に限らず、罪に問われる可能性があると、専門家は指摘します。
元大阪地検検事 亀井正貴弁護士
「落書き・スプレーでかける行為は、一般的に器物損壊罪に該当しうる。美観を損ねますし、神聖な場所における効用を害することによって器物損壊罪に該当」
また、「礼拝所不敬」や「建造物損壊」など複数の罪に問われる可能性もあるということです。
(11月29日放送『news zero』より)