150年の歴史に幕 気象台職員による「目視観測」自動観測に変わり「快晴」や「薄曇り」の記録は廃止
気象庁は、全国各地にある気象台の職員が毎日おこなっている天気や大気現象の「目視観測」を今月で終了します。これによって、「快晴」や「薄曇り」の観測記録はなくなるということです。
全国各地にある気象台では、晴れやくもりなどの天気や雷や虹といった大気現象の観測を、毎日1日7回、午前0時を除く3時間ごとに職員が「目視観測」でおこない発表しています。
気象庁によりますと、「目視観測」の歴史は長く、明治5年(1872年)から函館気候測量所で始まり、その後、全国の気象台や測候所でおこなわれるようになりました。
近年、気象レーダーや気象衛星などの技術が向上していることにともない2019年以降、地方気象台や測候所で順次、観測の自動化が進み職員による目視観測は終了していました。
そして今月、新たに札幌、仙台、名古屋、新潟、広島、高松、福岡、鹿児島、沖縄のあわせて9つの気象台で目視観測を終え、自動化に切り替えることになりました。
気象庁の担当者によりますと、自動観測になることで、防災上、重要ではない「快晴」や「薄曇り」の天気観測は終了し、快晴は「晴れ」、薄曇りは「くもり」に含むということです。
ただ、機械での判別が難しい「初霜」「初氷」「初冠雪」の観測は、これまで通り職員の目視でおこなうとしています。
また、東京と大阪の管区気象台ではこれまで通り、職員による目視の観測を続けたうえで機械による観測データと比較・検証していくということです。
札幌などの9つの気象台では3月26日から自動化に切り替わりますが、気象庁は、天気予報、気象警報・注意報、防災気象情報の発表に影響は無いとしています。