竜巻・突風の被害指標、新たに「船舶」を追加 「日本版改良藤田スケール」の検討会は終了 気象庁
気象庁は2016年4月から、竜巻などの激しい突風が発生した際、木造住宅やカーポート、墓石、道路交通標識、自動販売機など30種類の被害指標から突風の風速や強さを割り出して6段階で推定する「日本版改良藤田スケール」を導入しています。
気象庁で19日開かれた、竜巻などの突風の強さの評定に関する検討会では被害指標の見直しを行い、新たに「船舶の横転」を追加する方針が示されました。これは実際に発生した被害をもとに提案されたもので、まずは、陸上に置かれたプレジャーボートを対象としますが、今後、漁船なども含めることを検討するということです。
この検討会は、2012年5月に茨城県などで発生した竜巻被害を受けて設置されたもので、メンバーは風工学や気象学、建築などの専門家らによって構成されています。
これまでに、竜巻の強さを示す国際的な指標を参考に「日本版改良藤田スケール」と、そのガイドラインの策定や改善を続けてきたほか、最新の科学的知見に基づいた被害状況の分析などを行ってきましたが、ガイドラインの見直しや課題の整理、竜巻・突風現象の実態把握などが、おおむね完了したとして、2013年から約11年続いた検討会を終了し、報告書案を取りまとめました。
報告書案では、これまでの取り組みのほか、将来、建物の耐震化や耐風の性能が向上した場合には、風速と被害の程度の対応付けの見直しを行うとしています。
気象庁は、今後も竜巻の調査内容などを専門家と情報共有を行いながら、防災気象情報の改善につなげていきたいとしています。