【会見詳細】「お答えできない」10回以上繰り返す… “裏金事件”在宅起訴の大野議員、不記載への関与を否定 有権者に「ご理解賜りたい」
自民党の派閥のパーティー券をめぐる“裏金事件”で、19日、東京地検特捜部は一斉に刑事処分を行いました。
このうち、在宅起訴された安倍派の大野泰正参議院議員(岐阜選挙区・自民党を離党)が会見を行い、不記載への関与を否定。
約30分間の会見で、記者からの質問に対し裁判を理由に「お答えできない」といった回答を10回以上繰り返した大野議員。
会見では有権者に対し、質問に答えられないことへの「理解」を求める一幕もありました。
(以下、大野議員の発言)
■“すべてスタッフに任せていた”関与を否定
本日、私は公判請求をされましたので、その件につきまして皆さんに報告をさせていただきます。
公判請求ということで、今回の件に関しまして内容をしっかりお話することはできないわけですが、ここに今日までの経緯についてご説明をさせていただきたく、本当にお忙しいところではありますが、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
まず、もう一度申し上げますが、政治資金規正法違反ということで、公判請求を受けました。
私はここに至る経緯として、今日までのお話としましては、私自身、平成25年に参議院議員に初当選させていただいて以来、今日まで政治活動に没頭して参りました。
その一方で私は政治資金の管理や収支報告書の作成といったことをこのような経理面におきましては、すべて事務所スタッフに任せておりました。
■“今回の内容について説明はできない”
ですから、私が収支報告書に関与したとことはございません。私は事務所スタッフを全面的に信頼し、任せておりましたので、収支報告書は適正に作成・提出されているものと認識しておりました。
しかしながら、本日公判請求ということになりましたので、私といたしましては、検察との間の意見の相違がございますので、裁判においてしっかりと自らの主張をして参りたいと思います。
私からは以上でありますが、冒頭申し上げた通り、公判請求ということで今回の内容につきまして、ご説明することはできないこともご理解いただきたいと思いますが、その上でご質問を承れたと思います。よろしくお願いいたします。
■質疑応答
Q. 離党届を提出したが、現時点で議員辞職する可能性あるか。
私は、先程申し上げたとおり、やましいことはございませんので、しっかりと職責を果たしていきたいと思います。
Q. やましいことがなければ、離党しなくても良いのでは。
裁判をするということは、党にもご迷惑をかける可能性がございます。私としては、今日までお世話になった自由民主党に、ご迷惑をかけることはしたくありませんので、自ら離党させていただきました。
Q. 党には迷惑をかけられないと言ったが、議員辞職はしないのか。
先程も申し上げた通りです。やましいことはございませんので、職責を果たしていきたいと思います。
Q. 離党する理由が「党に対する迷惑をかけない」ということだが、議員議職をしないということは議員を続けるということ。国民に対する迷惑は甘受してほしいということか。
今も申し上げましたが、これから刑事裁判を控えておりますので、その点につきまして、今申し上げることはできません。
Q. 有権者に対する背信行為だと思うが、有権者に対するお詫びはないのか。
ですから、今おっしゃったことは今回の事件に関することですので、なかなかしっかりお答えすることができなくて、申し訳ありません。
Q. 参院内閣委員長は続けるつもりなのか。
その点につきましては、私はすでに幹事長代理にしっかりと委ねてあります。
Q. 内閣委員長の辞任届は幹事長代理にいつ提出したのか。
すでに出しております。私はすでに出してあります。
Q. すでにというのは今日か。
今日ではありません。きちんと私としてはもうこの件が始まって以来、ずっとお願いはさせていただいておりました。
Q. 「始まって以来」というのはいつか。いつ、誰に、どう出したのか教えてほしい。
お預けしてあります、ずっと。今日、提出されていると思います。それは幹事長代理に聞いていただかないと、私にははっきりした日にちは分かりません。
Q. 内閣委員長の辞任届を幹事長代理に委ねたのはいつか。
正確な日付ですか?それははっきり覚えていませんけども、すでに事前にお願いをしてあります。
Q. 今日、幹事長代理から院側に対して提出されているだろうという状態か。
そうですね。
Q. 内閣委員長を辞任するという意向か。
もちろんです。やはり院にはご迷惑をかけられませんので、刑事裁判を持つ身としてしっかりと対応しなくてはなりません。
Q. 公判で無罪を主張するか。
その点につきましては、今回の事件に関わることですから、今お答えすることはできません。
Q. 現時点では検察当局の認識と相違があるということか。
そうですね。
Q. 公訴事実について認める考えは今の時点ではないということか。
すいません、今回のことに関わることでありますので、今日いまここで、お話しすることはできません。
Q. どのような点が検察と食い違っているか。
すいません、今申し上げた通り、今回の件に関することでありますので、大変申し訳ありませんが、今、お答えすることはできません。
Q. 約5,000万円というのは、何のために使用していたか。
その点につきましても、大変恐縮ですが、今回の件に関することでありますので、お話することはできません。
Q. 地元の有権者は資金をどう使われているか知りたいと思う。
何回も繰り返しで、大変恐縮ですが、今回の件に関することでありますので、大変申し訳ありませんが、今ここでお話することはできません。
Q. 「信頼するスタッフ」というのは。
事務所のスタッフ、すべてのことを言っております。
Q. 全体という意味でしょうか?
その点についても、私としては、今回の事件に関わることですので、これは今すべてをお答えすることはできない、それはご理解賜りたいと思います。
Q. 安倍派に所属した上で議員を続けるのか。所属している安倍派に対して伝えたいことはあるか。
今、私はこの件につきましてお話しておりますので、そういう点につきましても、今後のことでありまして、今の時点でお答えすることはできません。
Q. 離党しても派閥としては今も所属ということになるのか。
私はその点はよく分かりませんので、派閥に聞いていただけたらと思います。
Q. 派閥から出るという意向を事務所に対して言っていないということか。
現時点ではそういう形にはなってないと思いますが。
Q. 派閥を抜けるという意思を表明はしていないということか。
今までそこまで、申し訳ありませんが、今回の件にしっかり対応していくために、ずっとやってまいりましたので、その点はそれよりまず党、そしてなにより院に、みなさんに迷惑をかけないように考えてやっております。
Q. 派閥の政治資金の関係で起訴されている。派閥に属しているのか。
すいません、あちらがどのように対応してらっしゃるのか分かりませんので、それは、そういうことです。
Q. いつご自身の考えを我々有権者に話してくれるのか。
それは適切な時期が参りましたら、しっかりと説明責任は果たして参ります。
Q. 適切な時期についてどのように考えているか。
これはやはり事件との関係、裁判がありますので、それをしっかり判断して参ります。
Q. いずれ安倍派を抜けるという考えか。
だからすいません、この件のことでありますので、ちょっとまだそこまで思いが至っていないことも事実です。
Q. 今日総会があるが直接行って何か発言する予定はあるか。
出席する予定はございません。
Q. 安倍派の解散の必要性についてはどう考えるか。
すいません、そういうことも今回のことに関係してまいりますので、大変恐縮ですが、お話できないということをご理解賜りたいと思います。
Q. 説明責任という意味で約5,000万円の使い道を言わなくてはいけないと思う。
言えないと言っているのではなくて、これから裁判を控えているなかでお話することはできないということです。適切な時期にしっかりと説明させていただきます。
Q. 仮に裁判があったとしても、自身の話なので明らかにしても良いのでは。
申し訳ありませんが、その今回の事件の内容に関わることは、今ここでお話できないことは、申し訳ありませんが、ご理解を賜りたいと思います。
Q. 岐阜県の有権者に対する背信行為ではないのか。
本当に県民の皆様にしっかりと私から説明する機会をつくっていきたいと思っています。
Q. この場がその説明する機会だと思う。
ですから、申し訳ありませんが、公判請求された以上、申し訳ないんですが、今回の件に関することはお話ができない。それはご理解賜りたいと思います。
Q. 有権者への説明よりも裁判を優先しているようにとれる。有権者にメッセージはあるか。
本当にご心配をかけて政治不信を招いていることは申し訳なく思いますが、今回の内容については、今お話できないことは理解賜らなければならない。皆さんのなかでも、色々あると思いますから、ご理解をいただけると思いますが、今ここでお話できないこと、本当にご理解賜りたいと思います。
Q.こういう事態に至ったことを大野家4代目の立場としてどう感じているか。
すみません、親族のことは今回のことには関係ありませんので、ここでお答えは控えさせていただきたいと思います。
Q.スタッフが勝手にやった、自分は関与していない、という説明に聞こえるが、監督責任も含めて罪の意識はあるか。
その点につきましても、今回の事件の内容に関わることでありますので、今ここでお話しできないこと、本当に申し訳なく思いますが、ご理解を賜りたいと思います。
Q.安倍派議員の中から自分が立件された理由は何だと考えているか。
それも今回の公判請求に関わることでありますので、今ここでお答えすることはできません。申し訳ありません。
Q.やましいことはないのか?
だからこそ裁判をお願いしているわけです。
Q.説明責任を果たされる時期は?
もうこれは裁判との関係がありますので、申し訳ありませんが、今いついつとは私からは申し上げられませんが、きちんと、しっかりと説明させていただきます。
Q.有権者よりも裁判を優先しているのではないか。
そういうことではなくて、これはこれから刑事裁判ということでありますので、やはりそれは今ここでお話しすることができない。もちろん有権者の方には、必ず、しっかりとご説明してまいりたいと思っています。
Q.地元の有権者は会見で何を話すか非常に気になっている。少しでも話してもらえないか。
説明することができるようになったら、私は、しっかりと説明させていただきます。
Q.それは裁判が終わった後?
その点については、やはり裁判との関係はあるとは思いますが、今明確に私の中でお話しすることはできません。裁判がいつからということもわかりませんし。
Q.疑惑が上がってから今日まで何を考えて過ごしていたか。
しっかりとまずは取り調べ等に誠意を持って協力し、真実をご理解いただけるように努力してまいりました。
Q.初当選から派閥に入っていたが、なぜ派閥に入ろうと思ったのか。
どうして。私としては一人ではなかなか仕事ができるものではありません。やはり多くの仲間としっかりとした仕事をしたい。そして、岐阜県、また日本国に貢献したい。そういう思いで入りました。
Q.安倍派を選んだのはなぜか。
それは今日までの様々な関係の中で一番仕事ができるだろうというところを選ばせていただきました。
Q.安倍晋三氏という存在がパーティー券の収入に影響を与えていたという見方があるが、安倍さんの名前を出すとパーティー券が売れるという実感はあったか。
すみません、今回の事件に関わることです。申し訳ありませんが、その点についてもお答えできません。
Q.大野議員にとって安倍派はどういう存在なのか。
多くの仲間と共に本当に自分の、県民の皆様の思いをしっかりと実現していくために努力している仲間がたくさんいるところだと思っていました。
Q.安倍派がなくなるかもしれないが。
すみません。仮定のお話には今お答えすることはできません。
Q.これから活動していく志を改めて教えてください。
先程来、申し上げている通り、県民の皆様、そして国民の皆様にしっかりと職責を果たしていきたい。そういう思いであります。
Q.職責というのは何をさしているのか。
職責というのは、私を選んでいただいた皆様に対して、しっかりと答えていくということであります。それは多くのことがありますので、今一つ一つここでお話しすることはできませんが、ご理解を賜ればと思います。私はずっと県内を回って、本当に一つ一つ丁寧にお話を聞きながら、今日までやってまいりました。
Q.ここで説明しないということは、これまでやってきた自身の歩みを否定することになるのでは?
いや、すみませんが、ここで全部お話ししていたら何時間あっても足りません。申し訳ありませんが、それもまた、県民の皆様にしっかりとご説明させていただきたいと思います。
Q.裏金は受け取っていないという認識なのか。
まさに今回の事件に関わることです。大変恐縮ですが、今ここでお答えすることは、できません。
Q.議員活動を続けるということだが、有権者からどう思われているかということに思いは至っているか。
すみません、そういうことに関しても、今しっかりと考えております。
Q.しっかり考えているというのは?
だから、説明責任を今後しっかり果たしていきたい。ご理解が堪れるように努力していくということです。
Q.国会が始まるが在宅起訴なので国会には出席するつもりなのか。
もちろん。職責を果たすということは、そういうことだと思っています。
Q.不記載については否認ということか。
すみません。これも今回の件に関することですので、ここでお答えすることができない。本当に恐縮ですが、ご理解賜りたいと思います。
Q.収支報告書の作成をスタッフに任せていたということは、関与していないということではないのか。
すみません。これもきちんと、今回の件に関することなので、内容についてお話しすることができない。それはご理解いただきたいと思います。
Q.キックバックについては認識していたのか。
ですから、同じことで。大変恐縮です。
Q.来年の参院選は出馬するのか。
すみません。今はそういうことではなくて、今、私がかけられている公判請求に対して、しっかりとまずは私として真摯に対応していく、そういうことであります。
Q.報告書は訂正するか。
すみません、それも今回の件に関することでありますので、私としては今ここでお答えすることはできません。
Q.安倍派の中で同じように裏金をもらっていたのに立件されていない人たちへの思いは?
これも私自身のことですから、私がしっかりと対応することであって、そういうお話ではないと思っております。