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【解説】“落とし物”が増加 現金は都内で「過去最多」約40億円 SNSへの写真アップに注意

2023年3月15日 10:30
【解説】“落とし物”が増加 現金は都内で「過去最多」約40億円 SNSへの写真アップに注意

去年1年間の「落とし物」のうち、現金は東京都で約40億円も届けられていたことが分かりました。これは過去最多になります。

●40億円の行き先は
●現金を拾ったら?
●1000万円に申し出続出

以上のポイントを中心に詳しく解説します。

■現金の“落とし物” 都内だけで約40億円…毎日「1000万円以上」計算に

2022年の1年間に東京都内で警視庁に「落とし物」として届けられた現金の合計額は、「39億9652万4634円」と、約40億円に上ったということです。全て1万円札として計算すると40億円の重さは約400キロで、大相撲の力士3人分ほどになるといいます。

この約40億円というのは、前年の2021年と比べて約6億円増えていて、統計が残っている1940年以降で過去最多となりました。日数で割ると、毎日、1000万円以上が届けられている計算になります。1件あたりの最高額は「約3400万円」ということでした。

■拾われたお金の7割以上が持ち主に それ以外は…

届けられた現金は、その後どうなっているのでしょうか。

去年1年間に“処理”された金額は、正確には約40億円の行き先とは一致しないのですが、「持ち主の元に戻った」のが約30億円、「拾った人に引き渡された」のが約4億8000万円、拾った人が辞退するなどして「東京都のものになった」のが約5億2000万円となっています。拾われた約40億円の7割以上が持ち主に戻ったということになります。

では、どのような条件がそろえば「拾った人」に引き渡されるのでしょうか。拾得物の扱いに詳しいAuthense法律事務所・高橋麻理弁護士に話を聞きました。

重要なのは、現金を拾った時にしっかりと警察に「届け出る」ことです。この場合、「落とし主が判明しないまま3か月たつ」と拾った人のものになります。

一方で、「3か月以内に落とし主が判明した」場合は、拾った人は落とし物の価値の5~20%の間で“お礼”を受け取ることができます。お礼をもらう場合は、拾った人の「名前・住所」を落とし主に教えることになっています。また、道ばたなどではなく施設で拾った場合は、お礼の金額は施設側と拾った人で折半になります。

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