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「なぜ危険運転にならないのか」家族3人死亡事故の遺族、苦しい胸の内語る

2024年9月16日 19:10
「なぜ危険運転にならないのか」家族3人死亡事故の遺族、苦しい胸の内語る

今年5月、群馬県伊勢崎市でトラックに衝突され家族3人が亡くなった事故で、16日、遺族が会見を行いました。「なぜ危険運転にならないのか」苦しい胸の内を語りました。

    ◇

湊斗ちゃんの母親はSNSに次のような投稿をしていました。

「事故の前日の夜、あの子の寝顔があまりにも可愛すぎて写真に撮りました。これが最後の写真になりました。頭を撫でて、ママが守るからねってあの子に言ったばかりなのに」

ゴールデンウイーク最終日の今年5月6日、群馬県伊勢崎市で起きた事故に巻き込まれ、乗用車に乗っていた2歳の塚越湊斗ちゃんとその父・寛人さん、祖父の正宏さんが亡くなりました。

レジャー施設からの帰宅中、対向車線のトラックがはみ出し、衝突されたのです。

トラックを運転していたのは、鈴木吾郎被告(69)。警察によりますと、勤務先でのアルコールチェック後に飲酒し、事故を起こしたとみられています。

事故からおよそ4か月。16日、遺族が会見を開きました。

湊斗ちゃんの母
「悪質すぎる飲酒運転なのに、なぜ危険運転にならないのか」

訴えたのは、鈴木被告の起訴内容についてです。鈴木被告は先月、酒を飲み、“故意に危険な運転をした”として危険運転致死傷の疑いで逮捕されました。

しかし先週、前橋地検は飲酒運転については結論を出さず、より法定刑の軽い過失運転致死傷罪で起訴したのです。

正宏さんの母
「あの事故で過失というのは変だなと。危険のほかは何もない感じがする。捜査に委ねるしかないので、強くお願いしたい」

湊斗ちゃんの母
「事故が起きる原因もあり得ない原因なので、これが過失のまま起訴されてしまうのは、本人たちも悔しいだろうし私たちも到底納得できない。3人に対してはまだはっきりと報告はしてなくて、危険運転になってからしっかり報告したい。過失運転で起訴されたよ、とはまだ手を合わせて言ってない」

前橋地検は飲酒と事故の因果関係について、捜査を続けるとしています。

4か月がたっても、癒えることのない遺族の思い。

正宏さんの息子
「4か月たってお父さんと弟が夢に出てくるようになった。湊斗もあんな小さな体でつらい体験をして」

湊斗ちゃんは、今月で3歳になる予定でした。

湊斗ちゃんの母
「誕生日が28日にあるんですけど、前々から夫と…誕生日はみんなで過ごせるねと楽しみにしていて、本人にも『誕生日プレゼント何がほしい?』と聞いたり、家族で過ごすことを楽しみにしていたので、それを迎えることができないのはとても悔しい」

遺族は事故の真相解明を願い続けています。