山の中で養殖⁉福井ブランド「ふくいサーモン」かけ流し式の施設で年中出荷可能に
福井ブランドの魚、ふくいサーモンの養殖といったらどんな場所をイメージしますか?
海のイメージが強いと思いますが、海とは違った場所でも養殖されているんです。一体どこで養殖しているのでしょうか?
■石畝健記者リポート
「大野の山の中で育てているのは今が旬の山菜ではなくこちら!ふくいサーモンです」
大野市にある宝慶寺サーモンベース。養殖場兼釣り堀をおととしの秋に改修し、福井のブランド魚ふくいサーモンの養殖を行っています。
ふくいサーモンは、嶺南地方の海で10年前から養殖を行ってきましたが、海水温が高くなる夏場に弱く4月と5月のみの出荷となり、それ以外の期間は冷凍販売していました。
より新鮮な生のサーモンを年間を通して提供できるようにと、県などの産学官で考え出したのが水温が高くならない淡水での養殖です。
■福井中央魚市養殖事業部長・吉田祐記さん
「残りの6月から3月はこちらの名水サーモンで出荷をすることによって県内、日本のみなさんに生のふくいサーモンを年中お届けすることができる」
大野市の養殖場は「かけ流し式」と呼ばれ、山から流れる川の水を使用していて無菌室で卵をふ化させたあといけすに移し、現在7万匹を養殖しています。
また、ASCと呼ばれる環境配慮の国際基準に県内で初めて淡水マスとしては国内で初めて認証され、魚のフンなどの汚水を川に流す際に基準値を上回らないようしっかりと処理して安心・安全のお墨付きがつけられています。
養殖場には14台のカメラを設置し、これまで重労働だったエサやりなどを自動管理しています。
淡水養殖のサーモンはエサにミネラルを加えるなどして、海で養殖したものと味や脂の乗りなどはほとんど変わらないという事です。
■川島キャスター
「いい色いただきます。とってもまろやかでコクのある脂、クセは全くありませんね」
海での養殖と合わせて当初の目標だった年間400トンの出荷を初めて達成する見込みで、淡水養殖のふくいサーモンは来月から本格的に出荷され、県の内外のスーパーなどで販売されます。