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日本被団協の箕牧智之さん生出演 "ノーベル平和賞"に"AI被爆証言" 被爆地ヒロシマの1年を振り返り

2024年12月16日 21:11
日本被団協の箕牧智之さん生出演 "ノーベル平和賞"に"AI被爆証言" 被爆地ヒロシマの1年を振り返り

ノーベル平和賞の授賞式を終え、帰国したばかりの日本被団協の箕牧智之さんにお越しいただきました。日本被団協のノーベル平和賞をはじめ、被爆地ヒロシマが注目された1年をVTRで振り返ります。

長年にわたる核兵器廃絶への取り組みが改めて評価された日本被団協。ノーベル平和賞受賞の背景には、緊迫する国際情勢がありました。

■ロシア プーチン大統領
「ロシアを脅かすことは誰にも許さない。ロシアの戦略軍は常に戦闘態勢にある」

ウクライナに軍事侵攻したロシアは核の威嚇を繰り返しています。
中東でも核兵器を持つとされるイスラエルが激しい攻撃を続けています。「核のタブー」が、脅かされる現状…。

2024年の平和式典には戦闘を続けるイスラエルの大使も参列。招待の是非をめぐり議論を呼びました。

■久保田栄作 記者
「手荷物検査が始まる30分前です。多くの人が並んでいます」

2024年から安全対策として入場規制の範囲を拡大。平和公園に入るため手荷物検査が行われるなど、例年と違う光景となりました。

世界から注目が集まるヒロシマ。G7広島サミットなどの影響で、入館待ちの行列ができていた原爆資料館は、混雑緩和のためインターネットでのチケット販売を開始。開館時間も延長しました。

あの日を知る被爆者は年々少なくなっています。

「原爆死没者名簿」に亡くなった被爆者の名前を記し続けた池亀和子さん。胃がんを患いながら、35回目となる記帳を終えた直後82歳で永眠。

広島で被爆後ブラジルに移住在外被爆者の援護に尽力した森田隆さん。8月に100歳で永眠。

被爆者の平均年齢は85歳を越えました。”継承”の重みが増す中ではじまった新たな取り組み。AI=人工知能を活用して被爆者と疑似的に対話できる装置の製作が進み、2025年、運用が始まる予定です。

被爆80年を前に日本被団協に贈られたノーベル平和賞。

■日本被団協 田中熙巳 代表委員
「核兵器は一発たりとも持ってはいけないというのが原爆被害者の心からの願いであります」

被爆者の声が世界に届いた瞬間でした。しかし、日本被団協はこれがゴールではないと訴えます。核兵器の開発や保有などを全面的に禁止する「核兵器禁止条約」。日本政府に参加を求め続けています。授賞式が行われたノルウェーは軍事同盟のNATO加盟国ながらも、条約にオブザーバー参加しています。日本被団協の代表はストーレ首相と面会しました。

■日本被団協 田中熙巳 代表委員
「本当は日本が、核戦争被害国と言っている日本が先頭に立たないといけない。日本被団協として、帰国後、政府に対して、まず核兵器禁止条約をきちんと固めていくことを要請していきたい」

原爆投下からまもなく80年。被爆者たちが作り上げてきた「核のタブー」が脅かされる国際情勢の中、世界に訴えた思いは届くのでしょうか。

【2024年12月16日放送】

最終更新日:2024年12月16日 21:11
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