核兵器禁止条約 締約国会議始まる「悪魔の兵器」被爆者が演説
核兵器禁止条約の締約国会議がニューヨークの国連本部で始まりました。演説した広島の被爆者は、「未来を奪う悪魔の兵器」と、核廃絶を訴えました。
■日本被団協 濱住治郎 事務局次長(胎内被爆者)
「父親は朝早く、爆心地近くの会社に出かけたまま、帰らぬ人となりました。今も父親のことを思わない日はありません。」
2021年に発効した核兵器禁止条約には、これまでに94の国と地域が署名しています。
3回目となる締約国会議の初日に、去年ノーベル平和賞を受賞した日本被団協を代表して濱住治郎さんが演説し、自身が胎内で被爆した経験とともに核兵器の廃絶を訴えました。
■日本被団協 濱住治郎 事務局次長
「原爆は本人の未来を奪い家族も苦しめる悪魔の兵器です。被爆による悲劇を繰り返してはなりません。」
一方、会議を傍聴した被爆者のサーロー節子さんは、日本がオブザーバー参加を見送っていることを批判しました。
■被爆者 サーロー節子さん
「どこの政府よりもこの問題を熟知しているはずの日本が、顔を横にして、出てこないというのは本当に情けないと思います」
会議は今月7日まで開かれ、核戦争のリスクなどについて議論。軍縮に向けた機運を高められるかが注目されます。
《2025年3月4日放送》