富山県勢が活躍!家族や仲間の支えを力に 全国高校スキー大会が閉幕
17年ぶりに県内で開催された全国高校スキー大会は11日閉幕しました。
県勢が活躍を見せた今大会を振り返ります。
南砺平高校3年・大瀬千恵美選手
「感謝の気持ちを胸に、互いに競い合い、高めあってきた仲間と、最高の舞台で全力を出し切り、最後まで正々堂々滑りぬくことを誓います」
白銀の眩しさに負けないくらいの笑顔が輝いた全国高校スキー大会=冬のインターハイ!
17年ぶりに県内開催となった今大会は、競技初日にクロスカントリー女子フリーで南砺福野高校3年の山本茉由子選手が見事な滑りで準優勝を飾るなど、県勢は7つの入賞を獲得する活躍を見せました。
山本茉由子選手
「本当にうれしいです」
エブリィが注目したのは、家族や仲間に支えられながら躍動した2人の選手です。
スペシャルジャンプとノルディック・コンバインドに出場した雄山高校3年の坂大芳輝選手。坂大選手は、県内の高校年代で唯一の競技者で、たったひとりで練習に汗を流してきました。
そんな坂大選手を支えてきたのが、父の徹さんです。
徹さんも同じノルディック・コンバインドの元選手。
国内トップレベルの実績を持つ父の指導を受けて、小さい頃から練習に励んできました。
今回のインターハイは、かつて父が富山国体で県勢トップの2位に輝いた時と同じ舞台で行われました。
坂大選手の父・徹さん
「自分がかつて大会とかで飛んで走った場所なので、インターハイで思い残すところなく精一杯やれたらいいのかなと思う」
坂大選手
「(父と)同じ舞台で戦えるってことは、とてもうれしいこと、とにかく全力を出して父にいい結果を見せられるように頑張りたい」
迎えた大会本番。坂大選手は、前半のジャンプで73.5メートルの飛距離で3位の好位置につけます。
後半は、10キロのクロスカントリー。坂大選手はトップと26秒差でスタート。
得意のクロスカントリーで逆転に向けて懸命に前の選手を追いかけました。
父・徹さん
「よーしー。ラスト・ラスト・ラスト」
父の声援を受け最後まで滑りぬいた坂大選手。
順位をひとつ落とし4位でのフィニッシュでしたが、前日のスペシャルジャンプでは全国大会で初の表彰台となる3位に輝き、恩師である父に成長した姿を見せました。
今大会注目の女子アルペンに出場した富山第一高校1年の上野香晴選手。
その姿を見つめるのは同じく富山第一高校1年で県チャンピオンの堺麻里杏選手です。
2人は幼いころから全国の舞台で活躍してきました。
堺選手
「国内では圧倒的に香晴がライバルで」
上野選手
「ライバルは麻里杏です。お互いに自分を高め合える良いライバルです」
堺選手は2023年の全国中学スキー選手権の優勝など全国2冠。
上野選手は、ジュニアオリンピックで優勝。
2人の中学チャンピオンは、初めてのインターハイでも優勝争いが期待されていました。
しかし1月下旬、堺選手はレース中に転倒し膝の前十字靭帯断裂!今シーズン中の復帰が絶望的となりました。
大切な仲間の分まで上野選手は果敢な攻めの滑りを見せました。
しかし、ジャイアントスラロームは表彰台に届かず惜しくも4位に。
最終日のスラロームは、逆転優勝を狙った2本目にまさかのコースアウト。
初めてのインターハイは悔しい結果に終りました。
堺選手
「香晴が転ぶこと、4旗門目で転ぶことなんて練習で見たことなかったから、何か新しいこと挑戦したのかなって思って。新しいことに挑戦できたっていうのは意味のあるレースだったと思います」
上野選手
「次こそは優勝できるように、また練習頑張ります」
2月21日からは「国民体育大会」からの名称変更後、初めて開催される「国民スポーツ大会」があり、選手たちの冬の戦いはまだまだ続きます。
一方、今大会はコンバインドで富山市出身で長野県の飯山高校3年の眞正蓮選手が初優勝を果たすなど、県出身選手の活躍が目立った大会でもありました。
近年、多くの有望選手が県外に進学するケースが増えてきていて、県内の練習環境の整備などが課題となっています。