50年前の陛下との思い出胸に…半世紀越しの再会は…? 輪島市の男性に密着
今回の両陛下の訪問を心待ちにしていた人が輪島市にいました。
天皇陛下とゆかりがあるという男性です。
七浦孝志さん:
「この写真がそうです」
一枚の写真を手に持つこちらの男性。輪島市に住む七浦孝志さん76歳です。
こちらの写真はおよそ50年前、当時15歳の高校1年生だった天皇陛下が輪島市を訪問された際、撮影されたものです。
七浦さんは、天皇陛下の宿泊先で地域に古くから伝わる「御神事太鼓」(ごしんじたいこ)を披露したといいます。
七浦さん:
「(写真は)家から一度も外に出したことがない。きょう初めて玄関から外に出した」
「(写真を撮るときに)常に周りのことを考えていて」
「若い時から国民に対する習慣が身についていると思った」
「いまでもこうして大事にしています」
大切な思い出として、50年近くにわたりこの写真を自宅で大事に飾っていました。
元日の地震で被災し、いまも不自由な生活を強いられている七浦さん。
およそ半世紀ぶりに、お目にかかれる「きょう」という日を心待ちにしていました。
七浦さん:
「感慨深いものがある」
「目の前を通るんだと思ったらどきどきする」
そして、いよいよその時が!
天皇皇后両陛下が乗られるマイクロバスが、七浦さんの近くへ!
すると、七浦さんはなぜか、スマートフォンを操作。
天皇陛下にお目にかかることはできたのか・・・。
七浦さん :
「見えるわけない、カメラで撮るのが一生懸命」
「ちょっと難しいね」
陛下の姿を、カメラに収めることはできたものの、撮影に夢中で肉眼で見ることが出来ませんでした。
どうしても直接その目で陛下にお目にかかりたい七浦さん。
15分後、もう一度そのチャンスが!
七浦さん:
「あ、雅子様だ!」
(Q.陛下見えました?)
「陛下見てなかった。雅子様見てた。(陛下は)その前にいたの?」
「あー、なにやってるだよ」
残念ながら後ろにいらっしゃった雅子様に気を取られ、天皇陛下を肉眼でお目にかかることはできませんでした。
七浦さん :
「やっぱりうれしいです」
「たまに、家も壊れてこれからのことを(不安に)考えたりするけど、こんなこと言ってられない、もう一回やり直そうという気持ちになる」
ちょっぴり苦い思い出になった“半世紀ぶりの再会”。
それでも、きょうという日をきっかけに七浦さんはもう一度前を向いて歩いていきます。