ダンスができる車イス 上半身の動きだけで自在に!ロボット研究者の情熱<東北大学>
今月、横浜に集まったのは世界トップレベルのロボットたち。
青木秀尚アナウンサー
「会場には世界中から最先端技術が集まっています」
ロボット工学とオートメーション分野で最高峰の国際会議ICRAが15年ぶりに日本で開催された。
注目したのは人が健やかに生きるためにロボット開発に情熱を注ぐ研究者。
東北大学の平田泰久教授だ。
平田泰久教授
「非常に面白い柔らかいロボット柔らかいのでうまく人にならって人をサポートしてくれる」
こちらは介護支援ロボット。
優しく手を差し伸べてくれるように歩行を助けてくれた。
平田教授が目指すのはロボットがヒトを見守り、励ましてくれる未来社会。
そのコンセプトに世界的な権威も注目していた。
サンディエゴ大学キャサリン・クラマー教授
「ここのロボットシステムはどれもが単なる思いつきではなくよく考えられています。日々の生活をより良いものにしたいと願う人々のためにそれを実現しようという真摯な 努力がこれらのロボットシステムから伝わってきます」
平田泰久 教授
「今パリパラリンピックと連携をする可能性が高くて…」
こちらがその車いすロボット。
研究拠点の青葉山キャンパスで試乗させてもらった。
青木秀尚アナウンサー
「こちらのロボット手を使わずに上半身を前に倒すと前に進んでくれます。後ろに体を反らすと後ろに進んでくれます。このように上半身の動きだけで動きたい方向、その思いをくみ取ってくれます」
ベストに付いている青いセンサーがポイント。
平田泰久 教授
「センサーが入っているベストと車いすが通信することによってベストを着た人の体の動きを推定してそれに基づいて車いすが動くことができる」
手で車輪を漕がなくても上半身の動きだけで自在に動く。
両手が自由だからできることがある。
それはダンスだ。
平田教授の車いすは今年2月、千葉県で行われた芸術祭に出演した。
ダンサーを務めたのは中村亮太さん。
脳性まひにより生まれつき左手と両足に障害がある。
中村亮太さん
「まだまだ動けるぞまだまだ人生長いぞともっとかましてもいいぞということを伝えたかったかな。風を感じられるというか自転車も乗らないしそういう自分にとっては風を感じる瞬間すごいよかった空飛べるんじゃないか…希望が持てた」
学生時代から舞台芸術に取り組んできた中村さんにとってこの車いすとの出会いは希望。
ダイナミックな表現で魅了した。
ロボットで”できるかも”という気持ちを育てたい。
平田教授の信念だ。
平田泰久 教授
「行動を後押しする新しい挑戦を後押しするこれを使ったらできるんだと気づくということを思ってもらえたら」
平田教授は共同研究者であるパリ・サクレー大学のエリック・モナセリ教授と一緒にあるプロジェクトに取り組んでいる。
それは今年の夏のパラリンピックに合わせて障害者と健常者が一緒に踊る舞踏会を開くことだ。
開催予定地はパリ・ベルサイユ宮殿の近くだそう。平田教授の想いが世界へ発信されようとしている。
平田泰久 教授
「我々目指しているのは人をいかにワクワクさせるかという研究私もワクワクしていますし多分乗る人もワクワクするし見ている人もワクワクするそういう景色になるかなと」