餌付け困難「ノコギリザメ」 展示開始の水族館で “お口にあ-んと与える” エサやりに成功《長崎》
見た目が特徴的な深海魚『ノコギリザメ』が、長崎ペンギン水族館で展示されています。
餌付けが非常に難しいというノコギリザメ。
この水族館では “ある方法” で、エサを与えることに成功したそうです。
“吻(ふん)”と呼ばれるノコギリ状の上顎が、体の4分の1を占めます。
深海魚『ノコギリザメ』。
地元の漁師が先月、採集し長崎ペンギン水族館での展示が始まりました。
これまでも数回、飼育にチャレンジしてきたそうですが…
(長崎ペンギン水族館 飼育展示課 魚類担当 近藤 ゆういさん)
「深海に住む生き物。水圧の影響を受けて上がってくるので、そのストレスでエサを食べないとか、あまり目がよくないので 目の前でエサを振っても反応がなかったりした」
餌付けがうまくいかず、長期間の飼育が叶いませんでした。
そこで、今回チャレンジしたのは…。
(長崎ペンギン水族館 飼育展示課 魚類担当 近藤 ゆういさん)
「上がってきたサメをこうやって…。あ、逃げた」
暴れたりしないように、そっと優しく押さえるのですぐに逃げられてしまいますが、水槽の上までノコギリザメを誘導し、直接 エサを与えようと頑張ります。
(長崎ペンギン水族館 飼育展示課 魚類担当 近藤 ゆういさん)
「ピンセットでエサにしているアジをつまんで、口元に持っていくけれど、いつも吐き出そうとして抵抗される」
慎重に口の中に入れ、今度は食べてくれたと思われましたが結局、吐き出されてしまいます。
食べないと死んでしまうので、サメに負担のない程度に何度も挑戦すると…。
(長崎ペンギン水族館 飼育展示課 魚類担当 近藤 ゆういさん)
「成功した。大変。エサを入れたあとにのどの手前まで持っていくが、口の中を傷つけないように、サメの体内にあたらないようにするのが難しいところ」
エサやりの甲斐もあってか、徐々に水族館での生活に慣れてきた『ノコギリザメ』。
(長崎ペンギン水族館 飼育展示課 魚類担当 近藤 ゆういさん)
「エサがなかなか取れない中で、確実に出会った生き物を逃さないように生き物も進化していて、ノコギリザメもあの形状をしている。その造形美に、生き物としての美しさに、見とれて頂ければと思う」
水槽には、オスとメス2匹のノコギリザメを展示していて、今後は繁殖ができる環境も整えていきたいということです。