鳥取県教育委員会は12月26日、信用失墜行為があったなどとして男性教員1人と外国語指導助手1人を同日付で懲戒処分にしたと発表しました。

鳥取市の中学校に勤務する55歳の男性教諭は、漁業権侵害と信用失墜行為で戒告の懲戒処分を受けました。県教委によりますと、男性教諭はことし7月、鳥取県岩美町の羽尾海水浴場を家族で訪れていた際、カキ3個やウニ2個、サザエ1個を自宅から持参したＬ字バールなどを使い採取したということです。周辺は漁協が漁業権を持つエリアで、海上保安署の職員が男性教諭の行為を認め立件。11月には漁業法違反の罪で鳥取簡裁から罰金１０万円の略式命令を受けました。

県教委の聞き取りに対し、男性教諭は過去にも同様の行為をしたことがあると話していて、今回の漁業法違反については「漁業関係者の皆さまに迷惑をかけ大変申し訳ない」などと反省しているということです。

一方、米子市で外国語指導助手を務めるアメリカ国籍の72歳の男性は、信用失墜行為で停職3日間の懲戒処分を受けました。県教委によりますと、アメリカ人男性はことし10月、米子市内の商業施設で購入したナシが痛んでいたとして店に返金を求めたところ、拒否されたことから、帰り際に売り場にあったナシ１個を持ち去ったということです。アメリカ人男性は帰宅後に思い直し、再びナシを無断で売り場に戻しましたが、店内の防犯カメラに不審な動きをする男性が写っていて、勤務する学校に問い合わせがあり、持ち去りが発覚しました。

県教員の調査に対しアメリカ人男性は「店とのやり取りの中で傷んだナシの代わりに、新しいものを持っていってもよい」と誤認したと話していますが、実際には店とこうした合意はありませんでした。アメリカ人男性はことし7月に指導助手として来日したばかりで、過去にも来日経験はあるものの、日本語での細かなコミュニケーションは困難だということです。県教員は窃盗事件として処理されていないことや日本語の能力などを考慮し、“窃盗に準ずる行為”だとして、懲戒処分を行いました。

県教委は2件の懲戒処分について「教職員としてあるまじき事態が起こったことは、教育そのものへの信頼を損ねる行為。服務規律の確保や法令順守の一層の徹底に努める」とコメントしています。