ラーメン店が苦境に…その背景には「豚肉ショック」が チャーシューに使う豚肉の仕入れ価格が増加 店主「どうしても(価格を)アップせざる得ない」 今後の動向は? 鳥取県
7月11日は「ラーメンの日」。私たちにとってなじみ深い料理ですが、実は今、ラーメン店は、ある理由から苦境に立たされています。そのワケを取材しました。
数字の7をレンゲ、11を箸に見立てたことから日本記念日協会が制定した「ラーメンの日」。鳥取県琴浦町にあるラーメン店では、名物「牛骨ラーメン」に豚骨ラーメンやチャーシュー麺も人気です。しかし今、店ではある問題に頭を抱えていました。それはー。
鳥取牛骨ラーメン京ら 藤原千香 店長代理
「豚肉もかなり原価的には上がっているところですね。ちょっと厳しいところはあります」
チャーシューに使う豚肉の仕入れ価格の高騰です。取材した店舗では、1キロあたりの仕入れ価格が今年1月に比べ約2割増加。小麦など、ほかの仕入れ価格も高騰している中、6月には牛骨ラーメンと豚骨ラーメン以外のラーメンを50円値上げしたばかり。
鳥取牛骨ラーメン京ら 藤原千香 店長代理
「チャーシュー麺もよくでるので、結構あぁと思う時もありますが、どうしても(価格を)アップせざる得ないところが出てきてまして、お客さまにはご迷惑おかけしているなと思っています」
これまで通り、お客さんにラーメンを楽しんでほしいという思いから、現時点でさらなる値上げは検討していないと言います。
「豚肉ショック」と言われるほどの市場価格の高騰。一体、なぜ豚肉の価格が高騰しているのでしょうか。経済の専門家に話を聞きました。
帝国データバンク情報統括部 飯島大介 副係長
「大きく関係してくるのは、足元で進んでいる円安です。特に輸入豚肉に関しては円安の影響を大きく受けまして、去年と同じ時期に比べて4割か5割くらい、場合によっては6割くらいまで高くなっているという話もあり ます」
円安により、輸入豚肉の価格が上がっていることに加え、去年の夏の猛暑で出荷頭数が減ったこと、輸入に頼る飼料代の価格高騰が原因だといいます。
市場卸売価格を見てみると、1キロあたりの価格は今年1月から300円以上あがり900円間近…。データがある過去20年で800円を超えたのは初めてのことです。今後についてはー。
帝国データバンク 情報統括部 飯島大介 副係長
「正直なところ価格が去年の時期の安値に戻るというのはちょっと考えにくい。むしろこれから価格は上昇していくんじゃないかというふうに思っています」
「豚肉ショック」は果たしていつ解消されるのか。今後もさらに豚肉の値段が上がる可能性があり、今後の影響が懸念されます。