【特集】With一緒に考えよう 通学路に潜む危険 子どもの命を守るには
「1550ニュースレーダーWith」と連動して視聴者の皆さんと1つのテーマについて考えます。今回は危険な通学路についてです。
Withが行ったアンケートでは「通学路の危険性を子どもと一緒に話したことがある」と答えた人は視聴者の66%、「ない」と答えた人は34%でした。ニュースレーダーでは小学校の通学路に潜む危険性を考えます。
★青森放送 油川修一記者
「多くの小学校で入学式が行われ、いよいよ学校生活が始まります 子どもの命を守るためわれわれ大人も運転などにより一層気をつけなければなりません」
この春県内の公立小学校にはおよそ7,400人が入学しました。交通安全の確保に向けた国の発表では危ないとされる県内の通学路は691か所ありこのうち9割の対策が完了しているとしています。しかしそれでも危険は潜んでいます。危機管理学の専門家と一緒に記者が青森市の横内小学校の通学路を歩き危険か所を探ってみました。
★青森中央学院大学経営法学部 大泉常長 教授
「通学路から出てきて スクールゾーンから出たところで飛び出しというのは非常に危険な場所かなと」
この通学路は大きな通りとつながっていて日中はトラックやバスなども多く通行します。歩道にはガードレールがありません。
★大泉常長 教授
「一般にハード面の強化ということで言うと 例えばガードレールとか縁石というものが設けられるわけですけれども 十分な高さの変化がない ということでは歩道と車道の分け目が あるようでない場所が実は多い(子どもが)何かに夢中になってしまうと 道路(歩道)から一歩出て二歩出てという状況は起こりうる」
歩道が狭いところでは事故に巻き込まれないよう1列で歩くことも大切です。
★大泉常長 教授
「この場所に限らない こういった歩道が狭い場所かつ多くの車がスピードを出すような場所が 県内あちこちにあるのではないか」
通学路の危険は「車」だけに限りません。川や池などの水辺に立ち入って思わぬ事故に直面することもあります。
★大泉常長 教授
「こういうところが象徴的なのは 危険と言いながらも自由にアクセスできる環境にあること」
川によっては階段で簡単に川辺に降りられる場所もあります。
★大泉常長 教授
「バリケードがあるわけでもなく ただ『危険近寄るな』という文言ですと ルールを守れよという警鐘にはなるものの実際にルールを破った時に何が起こるのかはなかなか子どもたちは考えられない」
そこに大人の役割があると言います。
★大泉常長 教授
「自分の子どもには立ち入るなという言い方ではなく川で遊ぶとこういう危険性があるよと教えたりします 危険の本質をどう教えていくかが保護者に課せられた重要な課題でもあるような気がします」
こちらは道路脇にある用水路です。
★大泉常長 教授
「雪がなければ危ないとわかると。ところが雪が積もると全部ふさがるんですよ」「ここが水路になっていることをなかなか気づけない環境になるのかなと」
冬場でなくても用水路には危険が潜んでいます。2014年7月十和田市にある用水路で小学3年の男の子が死亡する事故が発生しています。用水路は幅1メートル、深さ40センチほどでしたが水の流れは速かったということです。水路では思わぬ事故が起きることがあるので注意が必要です。見知らぬ建物へ立ち入らないようにすることも身を守ることにつながります。
★大泉常長 教授
「いわゆる一般犯罪が減少傾向にある中、13歳以下の子どもが被害に遭う犯罪が減っていない、横ばいであるというのはおそらくですけども人口減少社会、高齢化社会において社会における死角が増えている 子どもが自ら死角に入る込むことによって事件に巻き込まれたりという可能性がとても高まります」
こういった社会構造の変化に対応するためにも小さな時からの教育が重要と大泉教授は指摘します。
★大泉常長 教授
「子どもに関しても誰かにあるいは地域に守られているのではなく自分のことを守らなければいけないという感覚をどの時点で身に付けさせるのか そういった意味では学校に通い始める1年生、2年生、低学年の時点で教育することは重要だと思います」
子どもが悲惨な事故や事件などに巻き込まれないようにするためには身近に潜む危険性について家庭で話し合うことが重要です。