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【詳細】「耐えられない状況」涙ながら無罪主張 田村浩子被告初公判終わる すすきのホテル殺人

2024年6月4日 17:42
【詳細】「耐えられない状況」涙ながら無罪主張 田村浩子被告初公判終わる すすきのホテル殺人

札幌・すすきののホテルで2023年7月、男性の首を切断し頭部を持ち去った事件で逮捕・起訴された親子3人のうち、母親・田村浩子被告の初公判がきょう(2024年6月4日)開かれました。

「違うと思う点がいくつかある。メモを準備してきた」

一礼をして廷内に入った田村浩子被告は、検察官が起訴状を読み上げたあと裁判長が認否を尋ねると、こう答えました。

娘の犯行「容認していない」無罪を主張

死体遺棄ほう助と死体損壊ほう助の罪に問われている田村浩子被告(61)。

起訴状によりますと、浩子被告は2023年7月、娘の瑠奈被告(30)が殺害し切断した当時62歳の男性の頭部を自宅に隠すことを容認し、頭部を損壊する様子をビデオ撮影するよう瑠奈被告から頼まれ、それを修被告に依頼して遺体の遺棄や損壊を手伝ったとされています。

正午すぎ、札幌地裁前には傍聴席50席に対して350人以上が並びました。

午後3時、メガネをかけて法廷に現れた浩子被告。

頭部を隠すことや、ビデオ撮影をすることを容認したことについては「違います」と述べ起訴内容を否認しました。

浩子被告は「自宅に頭部があることを知った時には、すでに頭部は浴室にあった」とし、頭部を自宅に隠すことを「容認したことは違います」と話しました。

ビデオ撮影については、「撮影を求められたが何を撮影するかは知らず、助けを求めるつもりで夫に依頼した。容認していない。とても耐えられない状況だった」などと涙ながらに無罪を主張しました。

瑠奈被告の犯行を容認したとされる浩子被告に、「ほう助」という犯罪が成立するのかが争点となります。

検察側の冒頭陳述

検察側は、「事件前に瑠奈被告が被害男性から性的トラブルを受け、殺意を募らせていたことを認識していた」と指摘し、娘の犯行を容認したと主張しました。

▼2023年5月27日・28日にダンスクラブの閉店イベントで瑠奈被告は被害男性と出会う。

▼瑠奈被告は当時、修被告に「男性とカラオケに行く」と伝えて、ホテルに行く。

▼瑠奈被告はその後、男性とトラブルになったなどと修被告に話す。

▼浩子被告は事件前の6月27日~30日、男性に対し、瑠奈被告と会わないように連絡するも断られる。

▼7月1日、ホテルに入室後、瑠奈被告は男性に対し「1番反省することは私の約束を破ったことでしょ」と話し、男性は「そうだね、こんなに怒られたことはない」などと会話する。
その後、瑠奈被告は男性の首を切断。

▼浩子被告は7月3日ごろ瑠奈被告の犯行を認識し、その後、修被告らと生活を続けた。

弁護側の冒頭陳述

◇死体遺棄ほう助罪について

▼浩子被告は、瑠奈被告が頭部を自宅浴室に置き続けたことを認識しながら、そのまま生活したことは間違いないが、瑠奈被告が頭部を隠す意思を持っていたとは思ってなく、隠匿を容易にする意思はない。

▼浩子被告は、瑠奈被告をとがめたり、警察に通報するなどのことはしていないが、頭部を隠す行為を容認するような発言も一切していない。
特に何もしないまま生活を続けたことを、死体遺棄のほう助と評価することは不可能で、犯罪は成立しない。

◇死体損壊ほう助罪について

▼浩子被告は瑠奈被告からビデオ撮影をしながら頭部を損壊する計画を立てているとは聞いておらず、認識していない。

▼修被告に対しても、抽象的に撮影を依頼した。

▼瑠奈被告が浴室で頭部を損壊した際、浩子被告はその場にいなかった。

弁護側は「警察に通報や娘を出頭させなかったものの、頭部が自宅にあると知っていることをもって、ほう助とは言えない」などと浩子被告の無罪を主張しました。

瑠奈被告と修被告の起訴内容

◇田村瑠奈被告(殺人・死体損壊・死体領得・死体遺棄の罪)

▼2023年7月1日午後11時すぎ、札幌・すすきののホテル客室で男性(当時62)に対し、右頸部を折りたたみナイフで複数回突き刺すなどして、出血性ショックにより死亡させて殺害。

▼同日午後11時半すぎ、のこぎりなどを使用して、男性の頸部を切断し、2日午前2時ごろ、男性の頭部をキャリーケースに隠しホテルから運び出し、父親の修被告が運転する車で札幌市厚別区の自宅まで運び頭部を隠す。

▼午前3時すぎから午前9時前までの間、自宅で刃物を使うなどして男性の頭部を損壊したとされる。

◇父親・田村修被告(殺人ほう助・死体遺棄ほう助などの罪)

▼2023年6月19日から事件当日7月1日午後8時ごろまでの間、7回にわたり札幌市内の店で、のこぎりやキャリーケースなどを購入し、瑠奈被告に提供。

▼1日午後10時半ごろ、折りたたみナイフやのこぎりなどをキャリーケースに入れて携えた瑠奈被告を、男性との待ち合わせ場所付近まで車で送る。

▼2日午前2時すぎ、男性の頭部をキャリーケースに隠し持ち帰ってきた瑠奈被告を自宅まで車で送迎し、同月24日午前9時ごろまで、瑠奈被告が頭部を隠すことを容認。

▼同月7日には、瑠奈被告が男性の頭部を損壊する様子をビデオ撮影してほしいと浩子被告を通して依頼され応諾。

▼瑠奈被告が頭部を損壊する様子をビデオ撮影し、瑠奈被告の犯行を手伝ったとされる。

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