「報酬が安すぎないか」日当8500円 猟友会がクマ駆除辞退 町は協議中 北海道奈井江町
クマへの警戒が続くなか、北海道奈井江町では地元の猟友会がクマの出没時に対応しないと伝えたことがわかりました。
なぜ、このような事態になっているのでしょうか。
(北海道猟友会砂川支部奈井江部会 山岸辰人部会長)「事前の打合せ・すり合わせが何も無しで、奈井江町が枠組みを作り、その中に入って下さいと。我々に出来ること・出来ない事があるので改善してほしいことは(町に)提出した」
こう語るのは、猟友会・奈井江部会のトップである山岸さんです。
2023年に奈井江町ではクマが20件目撃され、市街地にも出没したことから、町は先月、猟友会にクマ出没時の対応に動く「鳥獣被害対策実施隊」への参加を呼びかけましたが、猟友会は21日、参加の辞退を伝えたといいます。
(北海道猟友会砂川支部奈井江部会 山岸辰人部会長)「私たちの要求のなかの最終項目に、報酬が安すぎないかと。この報酬を見ても町の姿勢がわかる。山の中は彼らの縄張り、その中で極端な話、命のやり取りをする」
町が猟友会側に提示した報酬は日当8500円。
発砲した場合は1800円が増額されるというものでした。
なぜ、この金額に設定されたのかー
奈井江町によりますと、実はハンターに報酬を支払う枠組みはこれまでなく、隣接する砂川市のケースを参考に作られたものだといいます。
町の担当者は「猟友会に提示した条件はたたき台として出したもので、猟友会の要望を聞いた上で協議している最中だった」としています。
こうした状況に町民は…
(町民)「大変不安に思います。家から50メートルの範囲内でクマが何回も出ていますので、いざとなったときに猟友会の方が出動されないというのは大変不安ですね」
今回の猟友会の決定について、奈井江町は「交渉は続いているものと考えていましたので、これからも話し合いを続けていきたい」とコメントしています。