元県議の妻殺害事件「動機について」の審理終わる 検察側「被告の不倫関係が動機につながった」弁護側「「動機は立証されていない」主張割れる
3年前、塩尻市で妻を殺害した罪に問われている元県議会議員の男の裁判員裁判。
29日、争点の1つとなっている「動機」についての審理が終わりました。
検察側は「被告の不倫関係が動機につながった」とする一方、弁護側は「動機は立証されていない」と主張が割れています。
元県議会議員の丸山大輔被告・50歳は、2021年9月、塩尻市の自宅兼事務所で妻の希美さん・当時47歳の首を絞めて殺害した罪に問われています。
裁判では弁護側が無罪を主張していて、4つのテーマに分けて審理が進められています。29日までは2つ目のテーマ「殺害の動機」について審理され、29日は弁護側の証人として、丸山被告の後援会事務局長を務めていた男性が出廷。
県議会議員選挙の際、希美さんの父親が支持を呼び掛けるなどして、被告が当選したことから、弁護側から、希美さんの実家の支援がなかったら当選に影響があったかと問われると、「被告に人気があり、選挙も難しいものではなかった」と証言しました。
これまでの証人尋問を踏まえ検察側は、被告が不倫関係にあった女性に結婚を執拗に求めていた一方、希美さんの実家に選挙や会社経営で経済的な支援を受けていたことなどから希美さんと離婚ができなかったと指摘。
また希美さんに離婚の意思はなく、「希美さんが死亡しなければ不倫相手との結婚が不可能な状況だった」と主張しました。
一方、弁護側は「不倫関係は事件の2年前に解消していて相手も結婚を望んでいなかった。不倫が妻の希美さんに発覚した2016年ごろに夫婦関係が悪化したがその後は事件直前まで良好だった」と反論。
その上で、「検察官の主張は丸山被告が犯人であることを前提として動機に結びつきそうな事情を捻りだしたものである」としました。
31日からは、3つ目のテーマ「現場の状況・痕跡」について審理が始まります。