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【速報】精神科入院し長期隔離された男性患者、のどにパン詰まらせ死亡 遺族が損害賠償求めて病院提訴「見殺しと感じた、息子の無念晴らす」

2024年8月26日 14:36
【速報】精神科入院し長期隔離された男性患者、のどにパン詰まらせ死亡 遺族が損害賠償求めて病院提訴「見殺しと感じた、息子の無念晴らす」
亡くなった初田竹重さん

 兵庫県明石市の精神科病院に入院していた男性が死亡したのは、長期間にわたる隔離と病院側の不注意が原因だとして、26日午後、遺族が損害賠償を求め、訴えを起こしました。

 訴えを起こしたのは、明石市の「明石土山病院」に入院後、亡くなった初田竹重さん(当時50)の両親です。両親によると、初田さんは20歳ごろに統合失調症と診断され、妄想の疾患が重症化したため、2019年6月から外から施錠ができる隔離室での入院が始まりました。その後、2021年4月、隔離室内でパンをのどに詰まらせ亡くなりました。

 訴状によると、初田さんは、約2年間の長期にわたり、ほぼ終日隔離されていたということで、両親は病院側が保護の義務を怠ったと主張。さらに誤嚥の可能性が高い食パンを漫然と提供したなどとして、病院側におよそ5700万円の損害賠償を求めました。

 病院側は「取材には答えられない」としています。

■遺族は「放置された。見殺しだと感じました」

 両親は提訴後会見を開き、父・毅さんは、「約2年間の隔離が死に至らしめたのではないかと疑問をもっている」として、「一生懸命治療していただいていると信じていましたが、1年以上隔離生活がつづき『本当にこんな治療で良いのか』と疑問をもつようになりました」と語りました。

 さらに、隔離室は鍵のかかった約3畳程度の部屋だったということで「まるで動物園のオリのような部屋でした。トイレしかなく私物も持ち込みできず、テレビも何もない部屋でした。帰りたいとずっと言っていたので、息子の気持ちになったら胸が張り裂ける」と無念さを語りました。

 母・美千子さんは、喉を詰めたことの発見が遅れたことについて「放置された。見殺しだと感じました。今になってもっと話をしておけばよかったと思いました。息子の無念を晴らすため、提訴することにしました」と語りました。

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