大阪・ミナミの会社で、会社役員の男性が殴られ、中国籍の男に現金2000万円が奪われる事件がありました。被害者の男性らが男を取り押さえ、男は強盗致傷の疑いで、その場で現行犯逮捕されたということです。

　強盗致傷の疑いで現行犯逮捕されたのは中国籍のチョウ・シュウウェイ容疑者（25）で、16日午後3時40分ごろ、大阪市中央区東心斎橋にある会社で、現金2000万円を盗んだ上、逃走しようとしたところ、会社役員の男性（37）に呼び止められたため、逮捕を免れるため、男性の顔面を殴打しけがをさせた疑いがもたれています。男性は、口に切り傷を負う軽傷です。

　この会社は中国の輸入品などを扱う貿易会社で、被害に遭った会社役員の男性も中国籍だということです。

　警察によりますと、今月中旬ごろ、この会社に対し「仕入れのために日本円が必要になったので、人民元を用意する代わりに日本円を用意してほしい」という両替を依頼する電話がかかってきて、その受け取りの名目で、16日、会社にチョウ容疑者が訪れたとみられています。

　男性とチョウ容疑者が1対1で会社の商談室に入り、チョウ容疑者が用意した紙袋に男性が紙幣を入れ、2000万円に達したところで男性が「人民元はどこにあるか」と尋ねたところ、チョウ容疑者が「車にある」と言って立ち去ろうとしたため、男性が会社の従業員らとともに取り押さえたということです。人民元は確認されておらず、男性とチョウ容疑者の間に面識はなかったとみられるということです。

　警察はチョウ容疑者の認否を明らかにしていませんが、犯行に至る経緯について詳しく調べています。