京都・太秦の床山の会社を書類送検「撮影業界の慣習で拒否できなかった」違法な長時間残業させた疑い
京都・太秦で時代劇のカツラを手掛ける床山の会社が、従業員4人に対し違法な長時間残業をさせていたとして、京都上労働基準監督署は5日、会社と代表取締役の男を労働基準法違反の疑いで書類送検したと発表しました。
労働基準法違反の疑いで書類送検されたのは、京都市右京区の床山の会社と代表取締役の59歳の男で、従業員4人に対し、「36協定」の延長時間を超えて、違法な長時間労働をさせた疑いがあるということです。
従業員4人は「結髪」「床山」と呼ばれる、時代劇の出演者らにカツラを被せて髪を整えたり仕上げをしたりする担当などをしていて、太秦にある2つの撮影所に勤務していました。
労働局が従業員の勤務実態を確認したところ、複数月で長時間労働を強いられていたことが発覚、去年4月には、1か月の時間外労働が最長で約140時間の従業員もいたということです。
労働局は、これまでも過去に複数回、長時間労働に関しての行政指導を行っていましたが、改善策が講じられず、悪質性が高いと判断したため書類送検に至ったということです。
代表取締役の男は労働局の調べに対し、「撮影業界の慣習として撮影スケジュールや予定が重なってしまっても調整できないし、拒否することもできなかった。長時間労働にならざるを得ない」などの趣旨の発言をしているということです。