画面に「避難してください」テレビに最適な避難場所表示 命を守るため、神戸市と読売テレビが実証実験
先週末の8日、読売テレビは神戸市などと連携して避難訓練を行いました。参加した住民らは"あるもの"からの指示をきっかけに、避難を開始しました。
先週土曜日、神戸市灘区で行われた避難訓練。テレビ画面には、避難を促す表示が…。
テレビ画面の表示
「渚中学校に避難してください」
詳細な避難の情報を表示させ、住民がスムーズに避難できるかどうかの実証実験です。
読売テレビと大阪大学が共同開発したこのシステムは、災害時、テレビの画面に避難指示と避難場所が表示されます。
地域を500メートル四方に細かく区切り、個々の視聴者に最適な避難場所を表示できるのがポイントです。
避難訓練に参加した長尾憲一さん(76)、恭子さん(69)ご夫妻。
スマートフォンの専用アプリに表示される地図を確認しながら、指定された中学校に向かいます。
避難所に到着すると、QRコードを読み取って「チェックイン」。すると、アプリを通じて、避難所に着いたことが家族に分かるようになります。
この「チェックイン」は、市が市民の安否を確認するのにも役立つということです。長尾さんも、無事に避難所に到着しました。
長尾憲一さん(76)
「天気予報とかもたまに見るんですよ。データ放送で。すごくローカルなものがあるのは便利だと思う」
長尾恭子さん(69)
「(テレビの表示は)助かります。スマホもいつも手元に置いているわけではないので」
システムを開発した背景には、自治体が抱える事情も関係しています。
神戸市危機管理室 近藤充 係長
「職員数が減っていく中、公助をみなさまに平等に提供できるかは検討していかないといけない課題。テレビという媒体を通して、さらに広い市民の皆さんに情報を届けられる」
来たる災害に備え、一人でも多くの命を守るために、実用化に向けた開発が進められています。