生産年齢人口の減少対策に外国人労働力の受け入れや活用を後押し 県がサポートセンターを開設
15歳から64歳までの生産年齢人口が将来にわたって減少することが見込まれる中、県は人手不足解消の一手として外国人材の受け入れや活用を後押ししようと、雇用から育成・定着まで一貫した支援を行うサポートセンターを開設しました。
県が新たに設置した外国人材受入サポートセンターは、秋田市山王の県庁近く、秋田県教育会館にあります。
秋田労働局の統計によりますと、県内の外国人労働者数は去年10月末時点で3161人。外国人を雇用している事業所は664でいずれも全国最下位となっています。
佐竹知事
「人手不足対策に全庁で取り組んでおりますが、人口減少が進む現下の状況では、外国人材の受け入れを進めることは避けて通れないものと考えております」
5日に業務を開始するサポートセンターでは、専門のスタッフが企業からの相談に対応するほか、出張相談会などを開き、外国人材を受け入れたい企業を後押しします。
県はサポートセンターで外国人材の雇用から育成・定着までを一貫して支援し、人手不足の解消を目指したい考えですが課題もあります。
日本総研 藤波匠 上席主任研究員
「日本は賃金が伸びていないということは、外国人労働者も当然伸びていないわけですね」「まだ外国人の人材が取れないという状況ではないと思うが、これから10年後20年後と考えていくと、徐々に厳しくなっていくことは間違いない」
世界各国で労働力の奪い合いが起こる中、専門家は秋田の抱える最大の課題「人口減少克服」のためにも、賃金の上昇と自動化などによる生産性の向上は欠かせないと指摘します。
藤波研究員
「最低賃金などを見ても、秋田県の場合、相当低い状況にありますので、そこをしっかりと高めていくことが必要」
「これをしっかりやらずして、外国人確保できたからよかったということで諦めてしまうと、低賃金が張り付いてしまいますので」「大学を出たり高校を出たりとかした高度人材が県内に戻ってきてくれなくなる」
「外国人を取るにしても本当は10人必要なんだけど、少し機械化して数を減らしながら外国人の方の賃金を上げていく。そして日本・地域全体の賃金アップということを目指していくことが必要」
人手不足を背景に現在、国会では技能実習に代わる外国人材受け入れの新たな制度が議論されています。
新たな制度では、即戦力の人材に長期の就労を促します。
即戦力の人材に長く秋田で働いてもらうために、県が設置したサポートセンターでは、夏頃をめどに県北・中央・県南の3か所で企業向けのセミナーを実施することにしています。