角界大注目の中学1年生力士 押尾川部屋の合宿に参加 「押尾川部屋に行って横綱になりたい」
大潟村で先月開かれた大相撲押尾川部屋の夏合宿では、現役力士がファンと触れ合いながら稽古を重ねました。
秋田のアマチュアの力士たちも稽古に参加できる時間があり、小学生の時に全国優勝した潟上市の中学1年生も、憧れの先輩の胸を借りました。
羽城中学校の1年生・佐々木陽希さんは、2月に行われた小学生最高峰の相撲大会で優勝。
いま、角界大注目の少年力士です。
先月、大潟村で行われた大相撲、押尾川部屋の合宿に、県内の社会人や高校生にまじって特別に参加しました。
受け入れてくれたのは、北秋田市出身の元関脇・豪風こと押尾川親方です。
押尾川親方
「陽希、お相撲さんにあいさつしてこい」
早速、力士たちの控室へと促された陽希さん。
実は、押尾川部屋は、陽希さんが東京で大会に出場した際に寝泊まりさせるなど、目をかけてくれているんです。
陽希さん
「押尾川部屋に行って、秋田の人たちを笑わせたり恩返しできるような横綱になりたい」
秋田の相撲界の大先輩を前に進路を力強く宣言した陽希さん。
多くの相撲ファンが見守る中、正真正銘の力士と一緒に初めて土俵を務めました。
するとその合間の事。
相撲ファンに声をかけられました。
なんと、写真のモデルを頼まれていました。
お客さん
「足が非常に上がって、有望な選手になるんじゃないかと思って。まずいまから 撮っておいて」
陽希さんは身長173センチ、体重125キロと体格に恵まれ、天性の柔軟性も持ち合わせています。
そこから生み出されるばねのようなパワーは同世代でもトップクラス。
さらに磨きをかけようと、この稽古に、あるテーマを持って臨んでいました。
至近距離から巨体がぶつかり合う、「立ち合い」。
勝負の9割を決めるとも言われ、力士たちの技や駆け引きが詰まっています。
中学生になり、ライバルもぐんと体を大きくする中、ひとつひとつの技術に磨きをかけたい陽希さん。
胸を借ります。
押尾川親方も指導に熱が入ります。
押尾川親方
「思い切って当たるんだよと、難しいことは言っていないです。まだ中学校1年生ですからね」
それでも、そんな一言が陽希さんの背中を押したのかもしれません。
回を重ねるごとに少しずつ、ほんのわずか、半歩ほどの違いではありますが、足は前に踏み出していました。
目標は、中学校でも日本一。
そのきっかけをつかもうともがいていました。
陽希さん
「格が違いました。力士の人たちは手加減してくれているのに、自分は何も動かせなかった。苦しくなってしまうと上体を起こして負けてしまうので、どんな時でも我慢して自分の形を保ちながら押していって勝てるようになりたいです」
東三段目二枚目 天風
「重さはあるから、粘り強さと、すごいいい重みがあるから、足の運びと立ち合いのスピードが加わったらもっと楽に相撲とれるから」
多くのアドバイスを受け、陽希さんは、今月、初めての中総体に挑みます。