クリスマスシーズンなのにイチゴがない… イチゴ不足の深刻化で争奪戦が勃発!? 今年はシンプルな「盛り耐性なしケーキ」がトレンド
鮮やかなイルミネーションも灯り、街はいよいよクリスマスモード。クリスマスの楽しみの一つといえばクリスマスケーキですが、実は今、ケーキにのせるイチゴが足りていないのです。去年もイチゴ不足といわれていましたが、今年はより深刻…。イチゴ争奪戦になるかもしれません。
猛暑の影響でイチゴ不足が深刻化 「イチゴ争奪戦になる」
愛知県田原市にある「紅ほっぺ」など4種類のイチゴを栽培するイチゴ農家「マーコ」では、毎年、クリスマスケーキ用に2.6トンを出荷しているそうですが、今年は大きく減りそうだといいます。
マーコ 青山大介さん:
「(イチゴは)温度が下がらないと実をつけない。10℃を切らないと花芽はなかなかつかないけど、今日だって20℃ぐらいあるじゃないですか」(11月15日取材)
夏の猛暑対策として、ハウスの屋根に遮光用のペンキを何度も塗るなど、様々な対策をしてきましたが、秋になっても気温の高い日が続いたため、イチゴの生育が遅れ、クリスマス用に十分な量を出荷できるか心配だと言います。
マーコ 青山大介さん:
「イチゴ争奪戦になるんじゃないかな。周りの農家さんからも『イチゴがない』と聞いているので、今年はケーキ屋さんは大変なのかなと」
イチゴ争奪戦!? 今年はイチゴがのったクリスマスケーキは食べられないのでしょうか…。
外国産イチゴで対応するも…店の負担増 「サンタにイチゴをお願いしたい」
街のケーキ店では、本当にイチゴ争奪戦が起きているのでしょうか。名古屋市中川区の「ケーキショップ リンツ」を訪ねてみました。
ショートケーキはもちろん、チーズケーキやタルトなど、イチゴを使った商品は10種類以上用意しているというこの店も、やはりイチゴの仕入れに悩んでいました。
ケーキショップ リンツ 久野悟店長:
「(例年は)10月に入れば国産が入っていたが、今年は1か月遅れている」
例年、国産のイチゴが品薄になる夏の時期だけ、外国産のイチゴを使っていましたが、今年は11月になっても国産が入らないため、オランダ産イチゴを使って間に合わせています。
オランダ産のイチゴは、国産に比べて2~3割ほど高く、店にとって大きな負担に。さらに、外国産のイチゴは大きさがバラバラなので、国産の方が使いやすいといいます。
できれば、安くて形がそろった国産を使いたいという久野店長。クリスマスシーズンには間に合うのでしょうか。
ケーキショップ リンツ 久野悟店長:
「(クリスマス近くに)なってみないと分からない。国産が入らなかった時は、どうするか考えないといけない。サンタさんになんとか(国産)イチゴを届けていただきたいとお願いしたいです」
この店では、このまま国産のイチゴが十分に仕入れできなかった場合、クリスマスは、イチゴを使ったケーキは予約販売だけにする可能性もあるということです。
今年のクリスマスケーキのトレンドは?
イチゴ不足が懸念される中、今年のクリスマスケーキはどうなるのでしょうか。
ケーキ・スイーツ専門通販サイト「Cake.jp」が出した今年のクリスマスケーキのトレンド予測では、「家計お助け」「食べきりサイズ」「盛り耐性なしケーキ」という3つのキーワードが発表されました。
「家計お助け」「食べきりサイズ」は、物価高の影響で価格を重視する人が増えることや、今年は平日のクリスマスなので家族で過ごす人が多く、家族で食べきれる小さめが人気なのではと予測しています。
そして、もうひとつのキーワード「盛り耐性なしケーキ」。「盛り耐性なし」とは、SNSで流行していて、Z世代を中心に使われている「飾らずとも存在感がある」という意味の言葉。
メイクやファッションなどでも「盛り耐性なし」のアイテムがトレンドとなっていますが、ケーキに例えると、クリスマスカラーのバタークリームでデコレーションしただけのシンプルでありながら存在感あるケーキや、デコレーションが少なくても写真映えする韓国で大人気の「お弁当ケーキ」などが、「盛り耐性なしケーキ」に当てはまります。
今年は、イチゴを使ったケーキは手に入りづらいかもしれませんが、おいしくて見た目もかわいいケーキは他にもいろいろとあるようです。クリスマスまで約1か月。時間をかけて自分好みのケーキを探してみては?