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<国内初>黒トリュフが安価に!? 岐阜で人工栽培に成功

2023年12月12日 13:57
<国内初>黒トリュフが安価に!? 岐阜で人工栽培に成功
手が届かない高級食材

世界三大珍味の1つで「黒いダイヤ」と呼ばれるほど高価な黒トリュフ。国内で流通しているのはほぼ全てが輸入ですが、なんと岐阜県の山で、日本で初めて人工栽培に成功しました。

高級食材「黒トリュフ」 クリスマスシーズンの仕入れ価格は1キロ45万円!

ホタテをふんだんに使った魚料理に、ほうれん草をパイ生地で挟んだオードブル。そして、平打ちのパスタ。すべて「黒トリュフ」が使われています。ANAクラウンプラザホテルでは「黒トリュフ」をふんだんに使った料理を楽しめるイベントを来年2月に開催予定で、この日は、PR用のメニュー撮影を行っていました。

トリュフはキャビア・フォアグラと並ぶ世界三大珍味。高級食材として知られていますが、その仕入れ価格はどのくらいなのでしょうか。

ANAクラウンプラザホテル グランコート名古屋 早坂敏夫総料理長:
「(仕入れ価格は)だいたい1キロ20万円くらい。クリスマスになるといろいろな料理に使うので、お値段ががん! と上がって(1キロ)40~45万円になる。(輸入は)99.9%ですね。100%といって過言ではない」

やはり、なかなかのお値段がするようです。街の人に「トリュフ」を食べたことがあるか聞いてみても、「(食べたこと)ありません。どういう味か気になります」「なかなか口にできない高級食材」など、「ちょっと手が届かない」というイメージを持っている人が多いようです。

しかし、日本でトリュフの流通が拡大する兆しが…!

国内で初めて「黒トリュフ」の人工栽培に成功! 当たり前に食卓に上る日がくるかも!?

それは岐阜県にありました。岐阜県森林研究所の水谷和人さんに案内されたのは、小高い場所にある山林。地面を覆う枯葉をよけると、そこには国内では作れないはずの黒トリュフが。いったいなぜここにあるのかというと…。

岐阜県森林研究所 水谷和人さん:
「小さなコナラの苗木を買って、苗木の根っこにトリュフの菌をつけまして。それを植えたのが7年前。(黒トリュフを見て)やった!っていう感じです」

なんと「黒トリュフ」の人工栽培に成功したのです。もちろん、国内で初めてのこと。トリュフは国内で20種類以上発見されていますが、謎が多く生産するまでには至っていません。そこで、輸入に頼らず国内で生産できないかと、2016年から岐阜県などで研究が進められていました。キノコの一種であるトリュフ。いつ地表から出てくるかと気をもんでいたところ、今年10月に2個の黒いトリュフを発見したそうです。

岐阜県森林研究所 水谷和人さん:
「ほんとにうれしかったですね。ヨーロッパではトリュフの人工栽培はやっているんですけども、コナラの木もある程度大きくならないと、たくさんトリュフに栄養を送り込むことができない。どうしても時間がかかってしまいます」

まだ流通する段階までには至っていないということで、今後は短い期間で「黒トリュフ」を作れるよう研究していくとのことです。もしかしたら私たちの食卓に、当たり前のように「トリュフ風味の料理」が並ぶ日がくるかもしれません。