11月1日から道交法改正 自転車の「ながらスマホ」厳罰の対象に 自転車の酒気帯び運転は車の飲酒運転と同じ量刑に
11月1日から道路交通法が改正され、自転車の「ながらスマホ」と「酒気帯び運転」が罰則の対象になります。ながらスマホは、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金。酒気帯び運転は、車の運転と同じ量刑になり、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。
スマホを見ながらの自転車の運転は危険がいっぱい
夜間走行していた車のドライブレコーダーの映像です。左から出てきた自転車と車が正面衝突。自転車に乗っている人の手には、スマホが握られていました。
また別のドライブレコーダーの映像では、横断歩道の信号が赤になった瞬間、左から自転車が飛び出してきました。その手にはスマホが握られています。
この時の信号は赤だったということですが、スマホに夢中で車の存在に気付かなかったのでしょうか……。
あわやという場面でした。
名古屋市内でも取材をしてみると、ながらスマホの自転車が多く見受けられました。
自転車利用者の事故 死傷者の多くが法令違反
自転車の危険な運転は、重大な事故につながることも多くあります。
今年9月末までの愛知県警の統計では、県内の自転車利用者の事故による死傷者は4474人と、昨年から100人以上増加しています。このうち約8割が法令違反だといいます。
自転車の交通違反への罰則には、信号無視は3か月以下の懲役または5万円以下の罰金。並走は2万円以下の罰金、夜間の無灯火は5万円以下の罰金があります。
自転車事故を減らす対策として、来月から自転車利用者の交通違反への罰則が強化されます。
「ながらスマホ」が11月から罰則の対象に
来月から新たに罰則が強化されるのが、「ながらスマホ」。違反すると6か月以下の懲役または10万円以下の罰金になる可能性があります。
街を歩いていた人たちに話を聞くと「11月に法律が変わることを知らなかった。場所がわからない時に自転車に乗りながら、ここ右だったかなって確認するためについスマホを見てしまいます」、「地図見ながらとか、スマホを見ちゃうときはあります」などの声が聞かれました。
やってしまいがちだという「ながらスマホ」。
約1時間半の取り締まり中に「ながらスマホ」の警告は3件
11月からの改正を前に名古屋市で取材をすると、交差点には鋭い視線を送り、周囲をうかがう警官の姿がありました。スマホを片手に自転車をこぐ人を見つけると、「ピピ」という笛の音と共に「こんにちは、愛知県警察です」と呼びかけ、自転車を停車させていました。
愛知県警 第一交通機動隊 馬迫亮警部補:
「警察が取り締まり中でも、違反者がいる。それだけ自転車の交通違反への意識が低いのかなと思います」
【厳罰化ポイント① ながらスマホ】
ながらスマホは、自転車の走行中にスマホを手に持って通話したり、画面を見つめる行為です。6か月以下の懲役または10万円以下の罰金となります。
さらに、ながらスマホでの自転車走行で事故などの危険を生じさせた場合、1年以下の懲役または30万円以下の罰金となり罰則が重くなります。
自転車のハンドルに固定されたスマホでも、走行中に画面をじっと見つめる行為は禁止です。もし地図アプリなどを見たい人は、自転車をしっかり停車して、スマホの画面を確認しましょう。
自転車の酒気帯び運転は、車の飲酒運転と同じ量刑に
【厳罰化ポイント② 酒気帯び運転】
少しでも飲んで自転車を運転すると「酒気帯び運転」となるほか、自転車の提供者についても「ほう助」となり、同様に3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
酒類の提供者・同乗者にも罰則が与えられます。いずれも車の飲酒運転と同じ量刑です。
11月から変わる自転車の交通違反への罰則。気軽で便利な乗り物ですが、いま一度、自転車に乗る前に交通ルールを改めて確認する必要がありそうです。