グループホーム「恵」事業所指定取り消しを受け、支援団体が要望書
障害者向けグループホームを運営する「恵」が利用者から食材費を過大に徴収するなどしていた問題で、事業所の指定を取り消す処分を出す方針の愛知県と名古屋市に対し、支援団体などが利用者の行き先の確保などを求めました。
愛知県などによりますと「恵」は実費の徴収しか認められていない食材費を利用者から過大に徴収したことがわかっていて、その総額は愛知県内の26事業所で約2億1800万円にのぼります。
また、自治体に職員の数を水増し申告して障害福祉サービスの報酬を愛知県で約1億8000万円を不正に請求したことも確認されています。
愛知県は特に悪質と判断された幸田町の「ふわふわ幸田(こうた)」に対し、今月中をめどに事業所としての指定を取り消す行政処分を出す方針です。
名古屋市も市内4か所の事業所に同様の処分を出す方針で、指定を取り消された場合は運営ができなくなる可能性もあります。
処分の方針をうけ、障害者支援に関わる東海地方の3団体(きょうされん愛知支部、愛知県障害者(児)の生活と権利を守る連絡協議会、全国福祉保育労働組合東海地方本部)が、20日、愛知県と名古屋市に利用者の行き先確保や、同じ問題を起こさないため第三者委員会の設置などを求める要請書を提出しました。
団体には、「わが家の生活は、息子のホーム利用により救われています。ホームがなくなったら、と思うと不安」など、利用者の家族などから161件の相談が寄せられているということです。
要請をうけ、愛知県は利用者が適切な福祉サービスを受けられるよう対応していくとしています。
愛知県の「恵」の職員ら複数人が5月末、労働組合を結成していて、「恵」に対し、謝罪や説明を求める団体交渉を申し入れるとしています。