結婚詐欺か 男ら“巧妙演技”で被害1億円超 悪質手口とは… 名古屋・東区の男2人逮捕
被害を訴える女性は“巧妙な演技だった”と話しています。結婚をほのめかし現金をだまし取ったとして逮捕された名古屋市の男2人。被害女性から話を聞くと、2人は社長と運転手という設定でトラブルが起きた演技をしていたといいます。
被害を訴える女性:
「1300万円渡して、これが終わったら、本当に何もかも回るしって言って、結婚式場の予約もしていこうという話を最後にもう会ってないんですね」
こう話すのは、ある男から“結婚詐欺”の被害にあったと訴える愛知県内に住むAさん。
被害を訴える女性:
「『愛してるとか』『早く一緒になろうね』という言葉が多かったですね」
女性に甘い言葉をかけていた男。
22日に逮捕されたのは、名古屋市の無職・江尻舟一容疑者(51)。
Aさんとは別の女性に対して、結婚をほのめかし信用させた上、あわせて3650万円をだまし取った疑いがもたれています。
江尻容疑者は自らを「黒瀬舟(くろせしゅう)」と名乗り、年収は5000万円、解体業を営む社長と偽っていたといいます。
愛知県内に住むAさんは現金をだまし取る巧妙な演技があったと話します。
3年前、江尻容疑者と出会い、交際していたというAさん。きっかけは、マッチングアプリでした。
江尻容疑者から送られてきたメッセージには。
「記念日」「心から出会ってくれてありがとう」「俺も世界一愛してる」
会うたびに江尻容疑者からアクセサリーや豪華な花をもらったというAさん。
江尻容疑者は、さらに高級料理をごちそうするなど羽振りが良かったといいます。
ところが、順調に交際が進んでいたある日、江尻容疑者にあるトラブルが…。
Aさん:
「運転手が江尻がお財布持ってないことに気づいて慌ててトイレに向かっていく」
トイレで財布をなくしたことに気づき、探しに行ったのは、江尻容疑者の運転手だったという男。
詐欺の疑いで逮捕された武田佑気容疑者(32)です。
Aさんによると、財布をなくしたことをきっかけに、社長と秘書にふんした2人の巧妙な演技が始まったといいます。
Aさん:
「次の日の取引先に支払うための印鑑や通帳、身分証明書が全部入っているからどうしようみたいな」
慌てるそぶりを見せたかと思えば、すぐに対応を指示。
Aさん:
「いまから取引先に電話して、お前は専務に電話しろって。そのやり方がうまくて本当に大変なんだっていうのをそばで見ているので」
この話を信じたAさんは、翌日、400万円を江尻容疑者に手渡したといいます。
6年前、交通事故に遭い、障害があるAさん。それを受け入れてくれた江尻容疑者を信頼しての行動でした。
Aさん:
「(障害を)知ってて受け入れてくれた人って思っていたので。結婚してくれると言ってくれたのでうれしくて」
その後も理由をつけてAさんに2回金銭を要求したという江尻容疑者。
Aさん:
「(渡した総額は)2700万円です。頭が真っ白になって、結局お金がないと家族に迷惑がかかるので、どうしようと本当にそれだけです」
結婚できると信じていたAさんは預金をすべて失いました。
実は、同様の手口で現金を渡したという女性は他にも…。
Bさん:
「財布がないというふうに気づく演技をさせられて江尻がトイレに忘れてきたと」
またしても、あの2人が財布をなくす“演技”をしていたというのです。
愛知県内に住むBさんは、江尻容疑者にあわせて2600万円を渡しました。
女性たちの恋愛感情を利用した“結婚詐欺”の手口。
警察は、2人の認否を明らかにしていませんが、複数の女性が同様の被害を訴えていて、被害総額は1億円を超えるとみて調べています。