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15人セクハラに「辞職相当」と断罪、元女性職員が明かした町長の悪質行為「町長室でズボンの上から陰部を触られ…」

2024年4月24日 18:48
15人セクハラに「辞職相当」と断罪、元女性職員が明かした町長の悪質行為「町長室でズボンの上から陰部を触られ…」

岐阜県・池田町長のセクハラ問題について、調査結果が公表された。そこに書かれていたのは、町長室で行われたという悪質なハラスメントの実態。なぜ、町長によるセクハラが相次ぐのか。

お尻や胸をさわり、キスを迫るセクハラ行為

23日午前8時過ぎに登庁した、岐阜県池田町の岡崎和夫町長、76歳。去年7月、女性職員らから「セクハラを受けた」と告発され、否定していた町長だ。

第三者委員会は、2013年から去年までに勤務した全職員にアンケートを行い、15人に対するセクハラがあったと認定。23日午前、セクハラの疑いを調べた報告書を町に提出した。

第三者委員会の幅隆彦委員長は会見で、「キスしようとしたり、お尻をさわったり、抱きついたり、あるいは胸・胸付近を触ったということがございました」とセクハラの疑いについて説明。続けて、「被害者は入庁間もない若年の職員が多かった」とセクハラを受けた年齢層についても述べた。

アンケートによると、岡崎町長は職員たちに対して、「あんたええな、やせとるで」、「かわいいね」、「太った?」など言葉をかけた他、町長室などで肩やおしりを触ったり、頭をなでるなど数々のセクハラ行為を行っていたという。

町長室で女性職員の陰部をさわる悪質行為

第三者委員会が「特に深刻な被害」と指摘したのは、2014年にあったという被害。町長は、1人の女性職員を4日連続で町長室に呼び出し、数々のセクハラ行為を行ったという。

1日目は、日常会話をした後、「頑張って」と言い、両手で握手したという町長。2日目は、女性に近づき、「細いな。なんや、ちゃんと食っとるか」と言いながら、二の腕をマッサージするように触ったという。3日目には、太ももをズボンの上から、両手で揉むように触ってきたという町長。女性職員は町長に逆らえないという意識から何も言えなかったという。

すると4日目はセクハラがさらにエスカレート。町長がいきなりズボンの上から陰部を触ってきたというのだ。そして、「なんか思うか」と女性職員に問いかけたという。

恐怖を感じた女性は、別の女性職員に相談。すると、町長は謝罪した上で、他言しないように求めたという。

岡崎町長はすべてのセクハラ行為を否定

この女性に対する行為を、「町長のセクハラがエスカレートする典型例」とした第三者委員会。岡崎町長に反省や改善する態度が見受けられないなどとして、第三者委員会・幅委員長は、「町長につきましては、辞職が相当だという風に我々は判断いたしました」と明言した。

第三者委員会の聞き取りに対して、すべてのセクハラ行為を否定していたという岡崎町長。取材に対して、「(セクハラが)認定されていたということであれば、そうだと思いますが、これから(報告書を)見させていただきます」と答え、報告書が置かれた部屋へと向かった。

女性職員「どこまで触れるのか試しているようだった」

岡崎町長のエスカレートしたセクハラは、他の女性職員にも行われていた。被害に遭ったのは、当時総務部の庶務係に配属されたばかりの女性職員。「ちゃんと食べているのか」と、手を数分にわたってさすられ、「こうやって若い子の力をもらわなあかんでな」とも話されたという。

女性は、相手が町長なのできつく否定することもできないと思い、「それは良くないですよ」と笑顔で冗談ぽく伝えたという。しかし、岡崎町長は「最近セクハラ厳しいでなぁ」と返答し、「手はどう?腕は?お尻は?脚は?」と、体の部位を順に挙げて聞いてきたという。

当時の心境について、「町長相手に全てをダメだという事はできなかった」と話す女性。うまく町長との関係を保つためには、“何かを犠牲にしなければ”と考え、「手ぐらいなら…」と町長に答えたという。

その後、何度も手を触れられるようになったという女性。最初のやりとりから2ヶ月後、女性は背後から、町長に尻を触られたという。町長は「あかんか。どこまでダメなのか分からんでな」と話し、女性は町長が“この職員はどこまでなら触れるのか”を確かめているように感じたという。

町長は調査に対し、握手以外で触れた事はないと否定しているが、第三者委員会はセクハラ行為と認定した。

“報復人事”を恐れる職員たち「相談窓口は機能せず」

なぜ、被害は広がったのか。その背景には、町長のキャリアがあると報告書は示している。実は町長は、町の職員出身。職員から助役へ昇進し、2003年に町長に当選。今年で在職21年を迎えるなど、誰よりも長く役場にいる状態だったのだ。

その結果、“町長の独断”で役場内の人事異動を行うことができる状態へ。報復人事を恐れて、何をされても意向に逆らえない風潮があったという。ハラスメント相談窓口は総務部にあったが、職員の証言によると、総務部自体が役場内にて「町長の意思に忖度する組織」と認識。窓口に相談できた人はおらず、相談窓口は機能していなかったという。


岡崎町長をはじめ、“町長”によるセクハラ被害の告発が相次いでいる。この地方では、先月辞職した岐阜県岐南町の小島英雄前町長による「99のセクハラ認定」、愛知県東郷町では井俣憲治町長に対して、108人がセクハラの被害を訴えている。

岐阜県池田町の岡崎町長、愛知県東郷町の井俣町長の二人は、明日記者会見を実施することを発表。調査結果をどう受け止めたのか、進退はどうするのかなど、何を語るか注目が集まっている。

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