【春闘】西鉄労組は記録が残る20年余りで最高額のベア1万4600円求める 地元企業はいずれも強気の要求 福岡
賃金の引き上げに向け、行政や労働組合などが意見を交わす会合が28日、福岡市で開かれました。物価高が続く中、ことしの春闘は「持続的な賃上げ」が焦点となっています。
■阿部まみフィールドキャスター
「ことしの春闘を前に機運を高めようと、これから会議が開かれます。」
28日、福岡市博多区で開かれたのは、働き方改革推進協議会です。福岡労働局や福岡県経営者協会などが出席し、賃金の引き上げについて議論しました。
ことしの春闘で焦点となっているのは「持続的な賃上げ」です。
■福岡県経営者協会・中村年孝専務理事
「(賃上げ機運の高まりは)ある意味チャンスと考えているので、労働側や経営側もそうだと。そして賃上げに向けて機運を醸成していくことが大事と考えています」
特に大企業を支える中小企業の賃上げが重要でその環境をつくるためには適正価格の取引の実現がカギになるといいます。
一方、労働組合を代表する「連合福岡」は、定期昇給分を含む5%以上を目安とした賃上げを求めていて、最大のポイントは労務費を含む価格転嫁をいかに図っていけるかだということです。
■連合福岡・藤田桂三会長
「物価を上回る賃上げ、そういう思いでこの春闘取り組んでいます」
主催した福岡労働局は「各団体と一体となって賃上げに向けた環境整備を強化していきたい」としています。
地元企業の賃上げ要求をまとめました。
まず、九州電力の労働組合は月額9000円のベースアップを要求していて2012年以降、最も高い水準です。
また、西部ガスの労組は1万円の賃上げを要求しています。こちらは2000年以降で最も高い水準だということです。
続いてJR九州です。九州旅客鉄道労組はベア1万円を含む5%の賃上げを求めています。去年はベア3000円を含む3%の賃上げ要求でした。
そして、西日本鉄道の労組はベア1万4600円などを求め、組合によりますと記録が残る20年余りで最も高いということです。
いずれも去年を上回る強気の賃上げ要求となっています。