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「村上さん」の広告で誘導「投資の成功体験」をやりとり 数千万円だまし取られた男性が語る詐欺の手口 福岡

2024年2月28日 17:43
「村上さん」の広告で誘導「投資の成功体験」をやりとり 数千万円だまし取られた男性が語る詐欺の手口 福岡
被害男性が語る手口とは

ニセ電話やSNSを使った「特殊詐欺」があとを絶ちません。福岡県内ではことしすでに8億円近い被害が出ています。この大部分を占めるのが、ウソの投資話などの「金融商品詐欺」です。数千万円をだまし取られた、福岡県の男性がその巧妙な手口を語りました。

■詐欺被害に遭った70代男性
「まあ、うまくだまされたなと。」

福岡県に住む70代の男性は去年11月ごろ、SNS上で「利益が出る」とうたった投資の広告を見つけました。

■男性
「有名どころの『村上さん』というファンドの名前が出ていて、ちょっと参加してみようかと。」

著名な投資家の名前と顔写真が載った広告から誘導されたのは、およそ30人のユーザーが入るグループチャットです。やりとりされていたのは、投資の成功体験でした。

■男性
「『もうかった』とか『どのぐらい利益が出た』とか『お金がもうかったので土曜日は家族と食事にいきます』とか、雑談めいたことが出てくる。」

男性はその後、「ムラカミ」を名乗る人物など3人からの指示に従い、指定された複数の口座に「運用資金」を入金していくことになります。

振り込まれた資金は専用のウェブサイトで確認ができ、利益は一日でおよそ15%から30%でした。男性の場合、毎日100万から200万円の利益が出ているとされました。

■男性
「自分で運転資金を増やせば増やすほど利益は出ますから、頭に血が上ってしまった。」

およそ1か月後、6回目の入金のために銀行を訪ねた男性は、以前振り込んだ口座が閉鎖されて振り込みが成立していないことを知り、初めて詐欺だと気づきました。

男性は「投資」のため200万円から500万円を合わせて6回振り込み、被害額は数千万円に上るといいます。

男性は、広告の内容や「投資」した金の行く先をきちんと確認していればと悔やみます。

■男性
「確認していない場面、場面で、200万円なり自分で下ろしたかというと下ろしてない。何もしていないというのが自分の反省です。」

福岡県警によりますと、ことし1月と2月に県内で確認されたニセ電話詐欺は合わせて111件で、被害額は7億8000万円に上ります。

このうち、株の売買や投資話を持ちかける「金融商品詐欺」は、6億2000万円を占めています。

■福岡県警 犯罪抑止対策室・下村篤史室長
「犯人グループが犯行の手口を複雑化・巧妙化していることが一つの要因。少しでも疑問に思うことがあれば、身内の方や近くの方、警察に通報してもらいたいと思います。」

警察は、SNSやインターネットで知り合った人からのお金の話は信じず、詐欺だと疑うよう呼びかけています。