シリーズ「SNS型投資詐欺を防げ!」県警が「トクリュウ」対策の新組織を発足 捜査の難しさとは 県内の被害は3か月で11億8000万円 福岡
■20代
「2月ぐらいからNISAを始めました。お金を置いておくんじゃなくて(投資を)やった方がお金になるからと言われていて。」
■30代
「投資信託とか積み立て投資とか、月々1・2万円ぐらい。」
■40代
「子どもの積み立てで海外の投資はしています。」
少しずつですが、私たちの身近な存在になりつつある「投資」。政府も投資で得られた利益が非課税になる「新NISA」で投資を促すなど、若い人でも投資を始める人が増えています。
その一方で、問題になっているのがSNSで投資を呼びかけ、金をだまし取るSNS型投資詐欺です。
■30代
「(周りに投資詐欺でだまされた人が)いますいます。何十人といますよ。」
■40代
「(詐欺に)遭ったことはあります。運用すらされていない。何百万かは(だまし取られた)。」
投資ブームに乗じて急増するSNS型投資詐欺。その卑劣な犯罪に関与していると言われているのが、SNSで実行役を集めメンバーを入れ替えながら強盗や詐欺などを繰り返すグループです。
匿名・流動型犯罪グループ、通称「トクリュウ」と呼ばれています。この「トクリュウ」が社会問題となるなか、警察も取り締まりの強化に乗り出しました。
■福岡県警 組織犯罪捜査課・佐藤治夫課長
「当課は特殊詐欺グループをはじめとした匿名・流動型犯罪グループに対し、検挙・壊滅するために編成された精鋭部隊である。」
4月、新たに発足した組織犯罪捜査課。およそ100人態勢で全国の警察と連携してトクリュウの実態を解明し、壊滅に向けた捜査を進めます。
ただ、SNS型投資詐欺は捜査の難しさもあるといいます。
警察によりますと、1つ目は匿名・秘匿性が高く首謀者の特定が困難な点です。
2つ目は、だました側とだまされる側が直接会うことなくSNSのやりとりだけなので、証拠が残りづらいという点です。
3つ目は実行犯が全国や海外にもいるケースもある広域性です。
そして、4つ目が長期間だまされるため被害の届け出が遅くなり、警察に相談した段階では証拠を集めるのが難しい点です。
身近になった投資を装って、私たちに忍び寄る詐欺。警察は面識のない人からの投資話は信用しないでほしいとした上で、少額でも詐欺が疑われる場合は迷わず相談してほしいと呼びかけています。
FBSではSNS型投資詐欺について体験談を募集していますが、さっそく多くの情報が寄せられています。
その中の1人、福岡県内の50代の男性は、ネットでできる副業の広告にアクセスしたことをきっかけに、SNSで副業だけではなく仮想通貨の取引をすすめられました。
男性は20万円を振り込み、最初は利益が上がり、そのお金を引き出すこともできたのですが、途中から逆にお金を請求されるようになり、だまされたことに気づいたということです。わずか1日半の出来事でした。手口が巧妙化しているので注意が必要です。
被害に遭った経験がある方はぜひ、右上のQRコードから情報をお寄せください。
※FBS福岡放送めんたいワイド2024年5月16日午後5時すぎ放送