「スマートシティ」「日本最大級のフードパーク」ドーム7個分の敷地に新しい街が 九大箱崎キャンパス跡地の再開発は住友商事・JR九州・西鉄・西部ガスなどに決定 福岡
福岡市東区の九州大学箱崎キャンパス跡地で進められる再開発事業について、優先して地権者と交渉できる事業者が、住友商事を代表とするJR九州などのグループに決まりました。
九大跡地の近くにはJR鹿児島線、地下鉄箱崎線、西鉄貝塚線の各駅があり、国道や都市高速道路とのアクセスも抜群です。さらに、ペイペイドーム7個分という広さの敷地面積があり、都心に残る数少ない更地です。
選ばれたグループの計画案によって将来、どのような街ができるのでしょうか。その再開発に向けた一歩が18日、動き出しました。
■中村安里フィールドキャスター
「こちらが九州大学の跡地です。まわりには高いフェンスが設けられています。そして広大な敷地の中には重機があり、整備が進められています。」
福岡県庁にも近い、福岡市東区の九州大学箱崎キャンパスの跡地。面積はおよそ50万平方メートルで、ペイペイドーム7個分という広大な土地です。
この土地の再開発をめぐり、土地を所有する九州大学とUR都市機構が事業者を公募し、3つの企業グループが応募していました。
関係者によりますと、九州電力や九電工などのグループはアリーナを中心とした街づくりを計画していました。
JR九州などのグループはスマートシティの実現を掲げました。
さらに、ディスカウントストアを全国で展開しているトライアルホールディングスはセブン&アイやサントリーなど42の企業と連携し、DXを生かした街づくりを目指しました。
■中村フィールドキャスター
「地元の人はどんな街を望んでいるのでしょうか。」
■市民
「子どもが遊べるような施設とか、モールが出来てくれればいいかな。住みやすく楽しく笑顔があふれる、子どもの歓声が聞こえるような街になってほしい。」
跡地の再開発にあわせて、JR九州は今回の公募の結果に関係なく、新しい駅の設置を決めています。
新たな駅が設置されるのはJR鹿児島線の箱崎駅と千早駅の間で、地下鉄箱崎線と西鉄貝塚線が接続する貝塚駅の東側です。
新しい駅の開業の予定は2027年です。
18日午後2時から、再開発事業について事業者から提出された計画の内容を確認する「開札」が始まりました。
■中村フィールドキャスター
「午後3時半すぎです。先ほどの結果が出ました。優先交渉権者に決まったのはJR九州や西鉄のグループです。」
再開発事業について地権者と優先的に交渉する権利を得たのは、住友商事を筆頭としたJR九州や西鉄、西部ガスで作るグループで、371億7800万円で落札されました。
最先端の技術革新を導入し、質の高い生活空間を生み出す「スマートシティ」を掲げ、住宅や医療施設・商業施設のほか、九州・福岡の食材をテーマとした日本最大級のフードパークを作る計画です。
■市民
「このへんの町もまた、にぎわいが出てくるのでは。今は団地も空きがいっぱいあるから。」
「本当にスーパーが近くになくて。2駅となりのスーパーに行ったりとかしていたので、あったほうがうれしいです。」
事業が計画通り進めば、土地は来年度以降、順次、グループに引き渡される予定です。
では、再開発事業について、地権者の九州大学などとの優先交渉権を得た住友商事、JR九州、西部ガスなどのグループの開発案を見ていきます。
ペイペイドーム7個分の広さの土地で、こちらが地下鉄と西鉄の貝塚駅、このあたりがJRの新設駅の予定地です。
まちづくりのコンセプトがこちらですね。企画案によりますと、九州大学の歴史を継承した上で、みどり豊かなまちづくりや、新たな産業の創造・発信、環境先進都市として「世界を牽引する未来をつくるまちづくり」としています。
具体的にはどんな街になるのでしょうか。主な都市機能をこちらに示しています。中心には「イノベーションコア」と名づけられた交流・にぎわいなどの拠点が設けられます。
その周辺に、物流、教育、居住、そして生活支援や医療・福祉などのエリアが計画されています。
そのイメージがこちらです。「イノベーションコア」と打ち出しているのが、食やアート、音楽など福岡の文化や歴史を次の100年につなぐとする新たな集客交流拠点です。
ここには、福岡・九州の豊かな食をテーマにした日本最大級のフードパークが計画されています。
ほかにも、ウェルネスストリートや街角広場などが提案されています。
18日は開発に向けた優先交渉権者が決まったということですが、今後どう進められていくのでしょうか。
18日に選ばれた住友商事やJR九州などのグループは優先交渉に係る協定などを締結し、来年度、正式に開発に携わる事業者が決まる予定です。その後、土地の引き渡しが行われ実際の工事が始まるとみられています。