【再発見】昔ながらの風情を残す「博多の台所」に新たなにぎわい 柳橋連合市場に集まる外国人観光客のお目当ては 福岡
1月は、外国人観光客の増加によって新たな魅力が生まれたスポットを、九州・山口のNNN各局からご紹介します。今回は福岡です。“博多の台所”と呼ばれる昔ながらの市場は、これまでになかった楽しみ方をする人でにぎわっています。
JR博多駅からおよそ1キロ、天神エリアからもほど近い、福岡市の中心部にある「柳橋連合市場」です。昔ながらの風情を残した全長100メートルほどのアーケードに、鮮魚店や青果店などが集まっています。
■訪れた人
「(店員と)話せたり、新鮮なものが買えるので。それがいい。」
「昔ながらのあれ(雰囲気)がある。楽しい、買い物が楽しい。」
■吉村史織アナウンサー
「朝から市場内が活気づく中、店の前には奥まで行列ができています。」
開店前から行列ができていたのは、新鮮な海鮮を提供する「食堂 光(みつ)」です。並んでいる人は外国人観光客です。
■海外から訪れた人
「香港から。多くのYouTuberがこのお店を紹介しています。」
「韓国から来た。大勢の韓国人がここに来てブログに書いている。」
コロナ禍の後、市場を訪れる外国人観光客が急増しました。目的の一つが日本の海の幸を味わえる飲食店です。最近、新たにオープンした店舗もあります。
行列ができていた「食堂 光」は市場内の鮮魚店直営で、魚の鮮度は抜群です。観光客の一番人気は、タイやサーモンなど7種類の刺身がのった特上の海鮮丼定食です。
■吉村アナウンサー
「マグロをいただきます。やわらかいです。マシュマロを持っているような感触だったのですが、口の中に入れると歯がいりません。ふわっと、とろけるような食感です。」
この店を訪れる人は、6割が外国人です。
■店員
「ライスサイズ、スモール、ミディアム、ラージ?」
接客でも、ほとんどの店員が外国語で対応しています。
■食堂 光・重見仁志 料理長
「オープン当初から働いている人で韓国語や英語をしゃべれる人がいたので、うまい具合にマッチした。」
柳橋連合市場の歴史は古く、もとは大正時代に鮮魚商がこの場所で店を開いたのが始まりとされ、100年以上も福岡の食を支えています。
近年、市場で増えているのが、いわゆる“食べ歩き”です。
■吉村アナウンサー
「あちらのお客さん、今、お店で買ったものをその場で食べています。」
創業90年の和菓子の老舗にも外国人客が多く訪れ、買ったばかりの商品を店先で食べる様子がよく見られます。
■鮹松月・上村美鈴さん
「お餅系が好きみたいで。みたらし団子とかをよく買っていただきます。」
こちらの観光客が手にしていたのは、あつあつの練り物です。
■海外から訪れた人
「これはおいしいです。」
「“うまい”。」
昭和初期に創業した練り物店の店先には、朝5時台から製造する練り物など、およそ40種類がずらりと並んでいます。ギョーザや、めんたいこを揚げたユニークな商品も人気です。
■吉村アナウンサー
「こんなに種類があるのでどれにしようか迷いますが、やはり福岡ということで『とんこつラーメン天』にしたいと思います。」
中華麺を練り込んだすり身を、とんこつ風味に仕上げた福岡ならではの1品です。
■吉村アナウンサー
「表面に麺があるので、これがカリッと揚げられていて、カリもちっとした食感です。ほんのり、とんこつラーメンの味もします。」
商品名は英語だけでなく、韓国語、中国語、さらにはタイ語やフランス語まであります。
■高松の蒲鉾・浮田寛子 店長
「(街が)どんどん変わっていく中、この市場は何も変わらずにこのままの状態で。でもそれがいい。外国の方にも受け入れてもらえるやり方が、私たちにもできるんだと自信を持ってできる。なので、外国の方にすごくありがたいなと思う。気づかされて。」
外国人観光客の姿を通して、古き良き市場の魅力を改めて感じることができます。
※FBS福岡放送めんたいワイド2025年1月7日午後5時すぎ放送