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【日本版DBS】子どもと接する仕事をする人の性犯罪歴を確認 衆院で可決 防犯カメラや誓約書を導入した学習塾では 福岡

2024年5月24日 18:45
【日本版DBS】子どもと接する仕事をする人の性犯罪歴を確認 衆院で可決 防犯カメラや誓約書を導入した学習塾では 福岡
福岡市の学習塾では

衆議院の本会議で23日、ある制度を導入するための法案が可決されました。それが「日本版DBS」です。

DBSとは、企業などが従業員の犯罪歴を求めることができるイギリスの制度です。

それを参考にしたのが「日本版DBS」で、子どもへの性犯罪を防ぐために、性犯罪歴のある人を子どもに関わる仕事に就けないようにする制度のことです。

学校や保育所、児童養護施設などが人を採用する時に、性犯罪歴がないか確認することを義務付けます。

学習塾やスイミングスクールなどの民間の事業者は「任意」ですが、国から認定を受けた場合は、同じように性犯罪歴の確認が必要になります。

「日本版DBS」の導入に向けた動きが加速する中、子どもと接する業界はどう受け止めているのでしょうか。

九州を中心に学習塾を展開する「英進館」には、幼稚園児から高校生までおよそ4万人の子どもが通っています。

教育現場で相次ぐ子どもへの性犯罪。文部科学省によりますと2022年度、教え子など児童・生徒への性犯罪やセクハラなどで処分を受けた教員は119人に上ります。

東京都の大手進学塾で元講師が教え子を盗撮したとして逮捕されるなど、子どもたちへの性被害が後を絶ちません。

英進館では教室に防犯カメラを設置したり、職員が子どもと2人きりにならないように呼びかけたりするなど、対策をしてきました。

また、職員を採用する時にも、子どもと連絡先を交換をしないなどの誓約書を提出してもらっています。

それでも、問題がある人か見極めるには限界があるといいます。

■英進館・宮園雅樹 取締役
「調査するにしても、我々が調べられる範囲は限られている。そこで見つけられない部分はあったと思う。」

そこで期待されているのが「日本版DBS」です。

民間の学習塾でも、国の認定を受ければ職員の性犯罪歴を確認することができます。

英進館は「日本版DBS」の制度導入に期待しています。

■宮園 取締役
「(子どもたちに)教育を受けさせるために我々のところに通わせているわけで、そこで被害に遭うことは是が非でも避けたい部分。事前に(犯罪の)可能性が低くなるという意味で非常にありがたい。」

子どもを預ける立場の親に話を聞きました。

■保護者
「性犯罪は繰り返すと思うので、1回でも犯罪歴がある人は現場から離れてほしい。保育園や幼稚園に預けている。目が届かない時間帯は心配。」
「安心は正直できない。法律があってもなくても安心できない。いつどこで何が起こるかわからないので。」

今の国会で成立する見通しの「日本版DBS」で、子どもたちを守ることができるのでしょうか。

「日本版DBS」のポイントをまとめました。

雇用主側が確認を義務づけられる性犯罪歴は、不同意性交罪や不同意わいせつ罪などの刑法犯や、痴漢や盗撮などの自治体の条例違反も含まれます。

照会できる期間は、服役した場合は刑を終えてから20年、執行猶予と罰金以下はそれぞれ10年です。

一方で、対象とならない犯罪や職業もあります。

下着の窃盗やストーカー規制法違反などは含まれていません。また、フリーランスの家庭教師やベビーシッターなどの個人事業主は対象外です。

実効性を確保するために、犯罪や職業の対象を広げるべきなのか、人権や更生の観点からも線引きが難しいところです。