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大学で「プレコンセプションケア」の出前講座 女性も男性も自分の健康状態に若いうちから向き合って 福岡

2024年6月11日 18:19
大学で「プレコンセプションケア」の出前講座 女性も男性も自分の健康状態に若いうちから向き合って 福岡
大学で出前講座

こちらは福岡県で1年間に生まれた赤ちゃんの数を示したグラフです。1950年のおよそ11万人をピークに右肩下がりが続いていますが、先週発表された最新の統計によりますと、去年は3万3942人と、過去最少を更新しました。福岡でも少子化に歯止めがかからない中、若い世代が将来の妊娠・出産に備えて健康管理に向き合ってもらおうという取り組みが進められています。

■福岡県プレコンセプションケアセンター助産師・コーディネーター 佐藤繭子さん
「プレコンセプションケアは妊娠を計画している女性だけでなく、すべての女性に必要なケア。そしてこれは女性だけでなく男性にも言えます。」

5月31日、大牟田市の帝京大学福岡キャンパスで開かれたのは「プレコンセプションケア」の出前講座です。「プレコンセプションケア」とは、妊娠や出産について正しく知り、早い段階から自分の健康状態に向き合うことです。

福岡県はことし4月、プレコンセプションケアの相談と情報発信の機能を備えたセンターを全国の自治体で初めて開設しました。

出前講座は「プレコンセプションケア」について知ってもらおうと初めて開かれたもので、看護学科の学生およそ230人が参加しました。

■佐藤さん
「今、日本人女性の4分の1くらいが痩せすぎ、低栄養の状態にあると言われています。」

講座ではまず「痩せすぎのリスク」について取り上げられました。

福岡県ではおよそ10人に1人が体重2500g未満の「低出生体重児」として生まれています。痩せすぎの女性が増えていることが原因の一つと考えられています。

■佐藤さん
「若い世代からみずから健康管理できるということは、生涯にわたって質の高い生活を送ることにもつながります。」

そのために今のうちから栄養バランスの良い食事を心がけることや、自分の体の状態を知ることが呼びかけられました。

そして学生たちがシートに書き込んでいたのは、将来の人生設計です。

■学生
「子ども何人欲しい?」
「2人か3人。」

豊かな人生を送るためにどのような体づくりが必要で今、何ができるかを考えました。

■学生
「プレコンセプションケアは女性だけでなく男性にも必要なことだと学んだので、今後、看護師として働いていく上で、1人1人の価値観を受け止めることが必要と思いました。」
「地元が福岡ではないので、地元に戻るのか、福岡に残って就職するか、環境が変わってくるので考えたいと思いました。」
「最近、食生活や睡眠時間、健康、いい生活が送れていなかったので、自分の生活についても振り返るきっかけになりました。妊娠・出産を考える時期でなくても、プレコンセプションケアについて考えて自分の健康・体や心や性について考えていくことが大事だと思いました。」

福岡県は今後も、県内の大学・専門学校などで若い世代に向けた出前講座を行うことにしています。