シリーズ「こどものミライ」高校生が二ホンミツバチを育ててみた「いろんな花の香り」環境の変化を考える 福岡
11月11日、福岡市中央区の福岡大学付属大濠高校の屋上に、生物部の部員たちが集まっていました。
■福大大濠高校2年 生物部部長・花倉杏奈さん
「今から、この木箱から採蜜を始めたいと思います。」
ミツバチの巣から蜜を採取する採蜜です。
■かけ声
「せーの、よいしょ!」
木箱の中には、はちみつがたっぷり入っています。
■花倉さん
「こんなに詰まっているのにビックリしています。」
採蜜を手伝ったNPO法人「博多ミツバチプロジェクト」の理事長は、蜜の量に驚いていました。
■NPO法人「博多ミツバチプロジェクト」・吉田倫子 理事長
「(はちみつが)たっぷりです。上出来です。ミツバチにとっていい環境を生徒さんがいっぱいつくり出していることも、立派な蜜が採れる原因の一つになっていると思います。」
大濠高校の生物部は、部活動の一環として5月から、校舎の屋上でニホンミツバチの養蜂を始めました。
ニホンミツバチは、昔から日本に生息する在来種です。「博多ミツバチプロジェクト」によりますと、商業用に養蜂されているのは、採取できる蜜の量が増えるように品種改良された外来種のセイヨウミツバチが多いといいます。生物部では、野生のニホンミツバチの養蜂に挑戦しました。
■福大大濠高校 生物部顧問・鬼木浩子 教諭
「できれば周りの環境との接点というものを、ニホンミツバチを通して、私たちが住んでいる地域の環境についても考えてほしいと思っています。」
気温の上昇や農薬の影響などによって、植物の受粉を助けるミツバチの数は減っています。今後、農作物が育たなくなる可能性があると指摘する専門家もいます。
どうすればミツバチが生息できる環境を守ることができるのでしょうか。
部員たちは、ニホンミツバチが生息できる環境をつくるため、近くの花壇にバジルを植えたり、水飲み場を作ったりしました。さらに、巣箱の中を衛生的に保つため、週3回の掃除を半年間続けました。
■生物部部長・花倉さん
「虫が嫌いだったので最初は結構、戸惑ったのですが、今ではミツバチも触れますし、お世話をすると愛着が湧く。」
今回行われた採蜜では、ニホンミツバチの巣がなくならないよう巣の一部を切り取り、部員たちで、はちみつを試食しました。
■部員
「花の香り。ちゃんとバジルとか、いろんな花。」
「結構甘いね。」
「スッキリしている、甘みが。」
「しつこくないね。」
「一つの花から蜜を採っているわけではないので、そこの部分で味の違いが出ていると思います。」
■ 花倉さん
「ミツバチの保護や養蜂を通して、持続可能な環境保護につながっていくと思うので、そういった点で努力していきたい。」
大濠高校の生物部では今後も、ニホンミツバチの養蜂を通じて、部員たち自身が環境の変化をめぐる課題を見つけ、解決に向けた研究を続けることにしています。
※FBS福岡放送めんたいワイド2024年11月21日午後5時すぎ放送