×

使い捨てカイロで水をきれいに カイロの原料を水質浄化剤や土壌改良剤に再利用 愛知・大治町

2025年3月5日 11:30
使い捨てカイロで水をきれいに カイロの原料を水質浄化剤や土壌改良剤に再利用 愛知・大治町
全国から集まった使い捨てカイロの山(Go Green Japan提供)
使い捨てカイロを使い捨てるだけではもったいない――。愛知県・大治町の一般社団法人「Go Green Japan」では、使い捨てカイロを全国から収集し、水質浄化剤や土壌改良剤に再利用する取り組みを進めています。

同法人に集まる使い捨てカイロは、最高で1日2トン。3月ごろからピークに達し年間70~80トンが集まります。一般的な使い捨てカイロ5万個に相当します。

使い捨てカイロが温かくなるのは、主な原料として使われている鉄粉が、カイロに内蔵されている水や塩分により酸化する際の熱を利用しています。東京海洋大学の佐々木剛教授は、この鉄粉を炭の粉末と合わせて固形状にし、水の中に投じておくと二価鉄イオンが発生することを研究で実証しています。

佐々木教授によりますと、二価鉄イオンの働きが、ヘドロの分解、悪臭の除去、光合成の活性化、赤潮発生の予防などに効果があるということです。

土中にも効果が認められ、土壌の酸化防止、土中の微生物の活性化などの作用があるといいます。

元々は2018年4月に山下崇さんが大阪で設立した「Go Green Group」が事業として活動していました。その後、広がりを見せつつある時期に活動に賛同した有志が同法人を設立し、使い捨てカイロの再利用事業に加わりました。

現在、大阪府羽曳野市の「墓山古墳」などの古墳の堀に毎月約60キログラムを撒いて浄化活動を実施したり、東京湾や名古屋市内の堀川などの水質改善プロジェクトにも参加するなど活動の幅を広げています。

同法人の担当者は「汚染が進んだ環境を変えられ、用途もさまざまに広げていける。この取り組みが、社会貢献につながっていけば」と呼びかけています。

使い捨てカイロの送付は、〒490­1143 愛知県海部郡大治町砂子長田1178-2 Go Green Japan まで。送料は、送付者の負担になります。
なお、使い捨てカイロから作られた水質改良剤や土壌改良剤は、1キログラムあたり3000円(税別、送料別)で購入できます。

最終更新日:2025年3月5日 11:30
中京テレビのニュース