【快挙】「牛も羊も死に絶えて植物も枯れる不毛の地」日本人女性で初めて世界14の8000メートル峰を制覇 福岡出身の看護師で登山家 次の目標は
以前、FBSの「めんたいワイド」でも紹介した福岡県出身の登山家の女性が、日本人女性初の快挙を達成しました。世界に14ある標高8000メートルを超える山をすべて制覇しました。
チベットの標高8027メートルの山、シシャパンマです。チベット語で「牛も羊も死に絶えて、植物も枯れる不毛の地」を意味しています。
この山の頂きに、福岡県大野城市出身の女性の姿がありました。現役の看護師で、登山家の渡邊直子さん(43)です。
■登山家・渡邊直子さん(43)
「博多駅のところでごはんを食べていて、おいしい!と思って、福岡のごはんおいしいわと、ちょっと実感しました。」
偉業を成し遂げて、地元の福岡に帰ってきました。
■渡邊さん
「シシャパンマ登頂した登頂証明書がきました、これです。大きなイベントが終わったという感じじゃなくて、いつもの8000メートル峰の1座が終わったという感覚です。」
通常ならおよそ2か月かけて登るというシシャパンマですが、チベットに入ってから15日目で登頂を達成しました。
■渡邊さん
「シシャパンマに関してはやっといけたな、登頂できたなという安心感はあります。」
渡邊さんがシシャパンマに挑戦したのはこれが2回目です。初めての挑戦は、去年の秋でした。
■渡邊さん
「雪崩がきて、初めて埋まるという経験をしました。死ぬかもと思いました。」
登山中に雪崩が発生して全身が埋まり、命からがら脱出しました。別のグループでは亡くなった人もいて、渡邊さんは登山の継続を断念しました。
“死”と隣り合わせでチャレンジした2回目のシシャパンマは、登山直前に熱が出て体調が万全ではない中での挑戦でした。
■渡邊さん
「途中で行くのやめようと思ったくらい、気持ち悪いと思ったのですが。」
それでも挑戦した理由は、山が生きがいだからです。
小学生のころは引っ込み思案で、いじめにもあったという渡邊さん。ただ、このころから海外の山にも遠征する団体に参加し、山登りが徐々に自分の生き方を変えてくれたといいます。以来、登山家として24歳に登頂したエベレストを皮切りに、標高8000メートルを超える山に挑戦し続けてきました。
■渡邊さん
「8000メートル峰は自分の生活の一部になってしまっているから、それがないと生きていけないような感じになっているので、怖いこともあるかもしれないけれど、それ以上に楽しいことがいっぱいあるから行くっていう感じです。」
ついに8000メートル超えの山を完全制覇した渡邊さんの、今後の目標は。
■渡邊さん
「14座達成しましたが、今後も8000メートル峰に登り続けることは目標ですし、子どもたちにも来てもらいたくて。子どもの時にしか感じることのできない面白い体験をしてもらいたいなと思っているので、それをサポートしていけるようなことを、ヒマラヤに住んでやりたいなと思っています。」
今後は子どもたちに山の魅力を伝えていきたいと話す渡邊さん。山での経験は生きる糧になると考えています。
※FBS福岡放送めんたいワイド2024年11月12日午後5時すぎ放送