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【台風10号】交通がストップした福岡 ホテルには避難者が 収穫間近の稲への影響は 教訓を生かしたワイナリーも 

2024年8月30日 19:08
【台風10号】交通がストップした福岡 ホテルには避難者が 収穫間近の稲への影響は 教訓を生かしたワイナリーも 
台風10号で県内の影響は

九州を横断したノロノロ台風10号。公共交通機関が一部、運転を再開する動きがあるなか、その影響は広い範囲で今も続いています。

■占部晃太朗ディレクター
「痛い、痛い、雨が痛い。」

29日から30日にかけて、ゆっくりした速さで九州を横断した台風10号。

大きな音とともに、ぶつかりながら飛んでいく黒い影。28日、宮崎市では竜巻とみられる突風が発生しました。軽乗用車が飛ばされ、周囲の車に衝突したということです。

福岡県内でも、コンビニやスーパーなどが一時的に休業する事態となりました。

30日午後2時前、西鉄福岡天神駅では。

■竹原侑記者
「午後2時から西鉄大牟田線が順次運行を再開するということで、改札前には多くの人がいます。」

■利用者
「電車が再開ということで、いまから会社に向かいます。このまま休みでもいいかなと思っていたのですが。」

台風10号の影響で始発から運行を見合わせていた西鉄電車。午後2時、改札が開くと、待っていた人たちが一斉に構内へと入っていきました。

ただ、運行再開後まもなく、パンタグラフに飛来物があったとして、福岡天神~大橋で再び運行を見合わせる事態となりました。

■石田旭昇アナウンサー
「西鉄バスが運転を再開しました。バス停にはバスを待つ人の姿もあります。」

また、福岡市地下鉄も、午前9時に全線で運行を再開しました。

その一方で、午前8時ごろ、JR博多駅では。

■竹原記者
「朝の通勤時間帯ですが、JRの改札はシャッターがおりていて、駅の構内は閑散としています。」

台風の接近に伴い、新幹線や在来線は29日から計画運休していました。駅の構内にいた人は。

■駅の利用者
「電車が止まるということが流れていたので、近くでホテルをとって、このまま会社に行けるようにという感じ。」

県外から出張で来たという人もいました。

■駅の利用者
「全部止まっているので、状況を見に来ました。あした帰れるか、逆に台風に向かっていくようになるので心配です。」
「予定では金曜日に帰る予定だったのですが、これだけ飛行機や電車が動かないので。」

普段、駐機場に多くの飛行機が並ぶ福岡空港ですが、けさはガラガラでした。福岡空港発着の国内線の欠航は、午前11時半の時点であわせて237便に及びました。

■占部ディレクター
「北九州市若松区です。午前6時ごろになり、かなり雨と風が強くなってきました。」

地元の人によりますと、ふだんは白波が立つほど荒れていないという響灘も、けさは大きく荒れていました。

その響灘を望むこちらのホテルでは、台風10号の影響で、予約の半分ほどがキャンセルになりました。露天風呂も、強風の影響で使用できなくなっていました。

そうした状況にも関わらず、急きょ予約が相次いだといいます。その理由は。

■宿泊客
「家がおぼつかないので逃げてきました。家がどうなるか分からないけれど、ケガをしないうちに逃げた ほうがいいやろうと思って。」

避難するためにホテルに宿泊する人の予約で、キャンセルされた分の3割程度は埋まったということです。

■宮原真記者
「北九州市小倉南区です。田んぼが広がってい ますが、収穫間近の稲穂が台風の影響でしょうか、倒れてしまっています。」

地元のJAによりますと、午前7時から小倉南区を中心に巡回したところ、複数の田んぼで稲が倒れているのを確認したということです。米不足が問題となる中、品質への影響を懸念しています。31日以降、本格的な被害状況を確認するとしています。

福岡県久留米市で、チンゲンサイを育てている佐藤弘也さん。台風に備え、ビニールハウスを密閉する強風対策をしていました。今回は大きな被害もなく、安心したといいますが。

■チンゲンサイ農家・佐藤弘也さん
「台風は風も弱まってきているので、風対策というよりは今後は雨対策、水対策に警戒ですね。筑後川の外側で内水氾濫といのも過去の事例としてあるので、少し心配だなと。」

川が増水するなどして排水が追いつかなくなると、市街地に水があふれ出す内水氾濫。台風は九州を遠ざかりつつありますが、引き続き雨が降り続くことで、内水氾濫が起きないか不安を感じています。

■佐藤さん
「今後、台風が来る時期ではあるのですが、このまま何もなく平穏に夏のシーズンが終わってくれればという思いが一番強いです。」

久留米市田主丸町の巨峰ワイナリーで、敷地内にある畑を見せてもらいました。

■巨峰ワイナリー・西倫子さん
「台風が来ると分かってから急いで収穫してしまって、きょう仕込んでいます。」

去年7月、記録的な大雨により、店の裏側にある斜面が崩れ、大量の土砂が敷地内に入ってきました。その教訓を生かし、今回はこまめに台風の情報を確認し、収穫のスケジュールを早める判断をしました。幸い、台風の被害はなく、ブドウは例年通りの出来だといいます。

31日と9月1日には「ぶどう祭り」も予定されていて、ぶどう狩りを楽しめるよう準備を進めています。

■西さん
「きょうまで雨など大変だと思いますが、あす・あさっては大丈夫そうなので、気をつけて来ていただいて、楽しんでいただきたいと思います。」