福岡のテレビ局の社員かたり「困ったことはないですか」と電話 290万円だまし取る
実在する福岡のテレビ局の社員をかたる男らに、福岡市の80代の男性が現金290万円をだまし取られました。
警察によりますと、10月23日の正午すぎ、福岡市中央区に住む80代の男性の家の電話に、実在する福岡のテレビ局の社員をかたる男から電話がありました。
男に「コロナ後の生活状況についてアンケートを取っています」「何か困ったことはないですか」と聞かれ、男性が困りごとを話すうち、毎日のように電話がかかってくるようになったということです。
男は「報道機関の顧問弁護士がいろいろな問題を解決してきたから、福岡で動いてくれますよ」「裁判所にも弁護士会にも、裏で通じているんです」「費用はすべて公費負担」「弁護士費用はかからないが、お金があることを証明してもらわなければならない」などと持ちかけ、男性は「290万円しか用意できない」と答えました。
そして、10月31日午後5時すぎごろ、顧問弁護士をかたる男から「テレビ局の社員の父親が危篤になり、行けなくなった。代わりに別の社員が行くので、書類と現金を確認させてほしい」と電話がありました。
直後に、テレビ局の社員をかたる男が男性の家を訪れ、男性が290万円が入った茶封筒を渡したところ、「封印するのでガムテープを持ってきてください」と言われ、取りに行こうとした際に、男が、別の茶封筒とすり替えるのを目撃しました。
男はそのまま金を持って逃げ、男性は追いかけましたが見失い、だまされたことに気づいて110番したということです。
男性は、電話の男が親身になって話を聞いてくれている様子だったことから、やってきた男の名刺や社員証を確認せず、信用してしまったということです。
いまのところ同様の被害の相談は寄せられておらず、警察は、名前をかたられたテレビ局がどこかは明らかにしていません。
警察は「電話でお金の話の話が出たらすべて詐欺と思って、警察に相談してほしい」と呼びかけています。