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【詳しく】捜査1課長「一日も忘れたことはなかった」6人死亡のアパート火災 7年後に放火の疑いで元住人を逮捕 別の放火で服役中だった 殺人の疑いも視野に捜査 北九州市

2024年9月26日 23:28
【詳しく】捜査1課長「一日も忘れたことはなかった」6人死亡のアパート火災 7年後に放火の疑いで元住人を逮捕 別の放火で服役中だった 殺人の疑いも視野に捜査 北九州市
北九州市小倉北区(2017年)

7年前、北九州市小倉北区のアパートで6人が死亡、5人が重軽傷を負った火災で、このアパートに放火した疑いで、警察は26日、56歳の元住人の男を逮捕しました。男は市内の警察署に放火した罪で服役中でした。殺人の疑いも視野に捜査する方針です。

現住建造物等放火と住居侵入の疑いで逮捕されたのは住居不定、無職の井上浩二容疑者(56)です。

警察によりますと井上容疑者は2017年5月7日午後11時すぎ、北九州市小倉北区清水の木造2階建てアパート「中村荘」に火をつけ、およそ300平方メートルを全焼させた疑いです。

中村荘には16人が住んでいて、出火当時はそのうち14人が在宅だったということです。焼け跡からは当時55歳から84歳までの住人6人が遺体で見つかり、5人が重軽傷を負いました。1階の共用通路が火元とみられています。

警察は放火の疑いがあるとみて捜査していましたが、火災の前後、中村荘の近くの防犯カメラに井上容疑者とみられる人物が映っていたことなどから、井上容疑者が関与した疑いが強まったとして26日、逮捕したものです。

井上容疑者は火災の後、八幡東警察署で起こした放火などの罪で懲役6年の判決を受けて服役し、27日に出所する予定でした。26日午後に服役中の長崎刑務所で逮捕され、小倉北警察署に移送されました。

警察の調べに対し「逮捕された理由については理解できました。しかし、私はそのようなことはやっていません」と話し、容疑を否認しているということです。

井上容疑者は火災のおよそ1年前、2016年6月から7月までのおよそ1か月間、中村荘に住んでいました。事件当時は北九州市八幡東区に住んでいたということです。

警察は何らかのトラブルがあったとみて動機を調べています。

小倉北警察署の磯辺芳文署長と、橋本浩輔捜査1課長は、26日午後7時から記者会見しました。

橋本捜査1課長は当時、火災翌日の現場検証に立ち会い、6人が死亡し5人が重軽傷を負った凄惨な現場を目の当たりにしました。「その日以来、事件のことを一日も忘れたことはない。逮捕を諦めたことは一度もありません」と話し「絶対解決する必要がある事件だと思っていた」と強調しました。

これまでに11人の専門家の分析や70台以上の防犯カメラの捜査、延べ600人以上に話を聞いてきたとして、多くの専門家と地域住民の協力が逮捕につながったと振り返りました。

6人が死亡した火災から7年以上がたっての逮捕。警察は今後、殺人の疑いも視野に捜査する方針です。